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side:HS
「Aヤ〜〜、Aヤ〜、A、Aヤ〜〜」
朝の大広間。
家族から学校の創立記念日休暇は帰ってくるのかを問う手紙がふくろうから届いた。
Aとは毎年創立記念日にも帰省しているから聞かなくても分かるけれど、勝手に決めることはお互いにしない。
先日の件でAヤからジウ姉さんに告げ口された俺は、ジウ姉さんにも
「デリカシーが無さすぎる！！何やってるのよ！！？あの子を不幸にしたいわけ！？」
と吠え手紙(メール)を送り付けられた。
大広間で姉さんからの吠え手紙を開けたおかげで周りの奴らにも姉からこっぴどく叱られるところを見られてしまった。そしてうちの長女は鬼だと知り渡らせてしまった。
いつもは違うんだよ。
ただ、あの人はAのことに関しては鬼になるだけなんだ。
しかし、姉さんの言う通りだから物凄く反省して後日、心の底からAにごめんと謝ると、私の為にしてくれたんだもんねとすぐに許してくれて俺達は仲直りのハグをして。
優しい妹で本当に良かった。
そんなわけで俺達は元通り。
仲が良しの兄妹に戻ったってわけだ。
皆が朝食にフォークを伸ばす中、鷲寮のテーブル近くを歩き回ってAを探す。
他の寮なのにAの兄として顔を合わせたことのある人達から「よぉホソク！」「どうしたの？」と声を掛けてくれる。
「妹を探してるんだよ！A見た？」
そう聞くと皆、口々に「朝は談話室では見た」と言う。
誰も今のAの居場所は誰も知らない。
そんな時、
「ホソガ！」
テーブルを挟んだナムジュンが手を挙げて俺を引き止めた。口パクで「ここ！下！」と隣の席を下に指差す。
ぐるっと回って座席側に行くAはナムジュナの隣の席に寝転んで横向きでアップルパイを食べていた。
Aは悩み事が解決しない時、横になって信頼を寄せる“ 誰か ”に頭を寄せてアップルパイを無限に食べ続けるんだよ。
Aと目線を合わせようとしゃがむ。誰とも目を合わせる気がないらしく、テーブルの下に身体を向けていた。
「ヤー……Aヤ、どうしたの〜
ホソギ兄さんだよ〜」
昔みたいに、幼い小さなAを甘やかすみたいに優しい声で話す。
反応したAはのそのそと身体を動かして俺の方を向く。
こっちを向いた可愛い妹は昔兄妹喧嘩して母さんに怒られた後の納得いかない小さなAの顔をしていた。
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作者名：哺乳瓶
| 作成日時：2023年4月18日 16時
