【TP4】続・Friday nightに逢いましょう【ky】【uszw】

66.よそよそしいんだよな ページ17

【Aside】

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A「これを見てもらえますか…え？」

そう言ってバッグからタブレットを取り出したわたしの手を、何故かキヨさんが押さえて制止した。


キ「ちょっと待って、あのさあ、Aちゃん急によそよそしいんだよな。ずっと敬語だし」

A「え！だ、だって…なんかあのキャンプ場は非日常的で、仲間って感じがしたけど…現実に帰ったら、それはもう…現実で」

牛「ちょっと何言ってるかわかんない」

レ「現実に帰っても仲間は仲間でしょ？」

ガ「俺たちは強い絆で結ばれてると思ってるよ？」


わたしはみなさんをゆっくり見渡した。

襲ってきたリチャードを一撃で倒してくれた、牛沢さん。

ヒューズや車を直して、運転して脱出させてくれた、ガッチさん。

リチャードを撃ってキヨさんを守った、レトルトさん。

…そして、終始一緒にいてくれて、何度も助けてくれた、キヨさん。

わたしは、何が出来たのかな？仲間だと思っていいの？

一人一人の顔を、ゆっくり見回すと、みんな優しく微笑んでくれた。

A「…うん。わかった。ありがとう…」

思わず、涙が溢れそうになるのを堪えながらタブレットを立ち上げる。
左隣のキヨさんが、涙に気づいたのかわたしの背中を摩りながらグッと顔を寄せてタブレットを覗き込んできた。

牛「おいキヨてめー近すぎんだよ。離れろ」

向かいの牛沢さんが、テーブルの下でキヨさんを蹴った音がする。

キ「痛って！！んだよ、蹴んなよ！」

そう言いながらも牛沢さんを煽る為か、キヨさんはわたしの肩に両腕をかけて足で牛沢さんに応戦した。
困ってしまったわたしは思わず、右隣のレトルトさんの顔を見る。レトルトさんはひとつため息を吐くと、

レ「おい、お前ら今すぐ帰るかAちゃんの話聞くか、どっちかにせえ」

低く通る声で言われると、牛沢さんとキヨさんは大人しくなった。ガッチさんはニヤニヤしながらお酒を美味しそうに飲んでいる。…まだまだこの方たちの関係性はわからない。


A「…じゃ、じゃあ、えっと…」

わたしがタブレットの画面を開くと、みんなが一斉に身を乗り出した。

A「この記事を見て。カナダのニュースなの。日付は…昨日かな？」

キ「ふんふん、へー…えっ？！マジで？」

レ「お前読めないだろ」

A「あはは、この見出しは解る？」

キ「リチャード…マーティン…リチャード？！」

A「そう。見出しはこう。


『シリアル・キラーのリチャード・マーティンが、死体で発見された』」


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