34.一方の2人 ページ34
【レトside】
おれとガッチさんが昨日いたキャンプサイトにやってきた。特にアイテムは落ちてないな。
でも、なんか違和感がある。ん……？…焚火か？
焚火は、昨夜と同じように燃えている。薪もくべてないし、消えててもおかしくないのに。…時間が経過してないってことなのかな。でも、それやったら朝になったことの説明がつかんし…わからん。
レ「この端っこの家から調べていこうか」
道中ずっと無言だったキヨくんに声をかけると、黙って頷いた。
昨日は入ることのなかった家のドアを開けて入ると、そこも見覚えのある作りだった。片っ端から引き出しを開けてアイテムを探しながら、
レ「うっしーとAさんが気になるん？」
キ「…べつに。」
レ「まあ、そんなこと言ってる事態じゃないよね。あ、爆竹」
レ「だからそんなんじゃねーし！…もし今Jが徘徊してたらさあ、うっしー1人でAちゃん守れんのかなって心配になっただけだよ。オレらがこんな世界に連れてきちゃったみたいなとこあるし」
レ「おれらが連れてきたって事はないでしょ。パソコンゲームしててこんな事になるなんて誰も想像できないし…」
キ「…オレが気になる気になる言ってたから、うっしーがDMまで送ってくれて。一緒にプレイしてなかったっけ、オレらだけでジェイソンキルしてオレらだけでここに飛ばされてたっしょ、きっと。そう考えたらさ…」
レ「自意識過剰なんじゃないの？そんなの、色んな偶然が重なったか、もしくは運命なんだよきっと。キヨくんはAちゃんに再会できない方がよかったの？」
いつになく歯切れの悪いキヨくんにそう畳みかけると、部屋の端に置いてあったオノを引っ張り上げながら、
キ「…それは、そんな事ない…こんな形でも、会えてよかったなーと、思ってる…」
「だから、絶対守りたい。みんな無事に、元の世界に戻りたい」
そう言ってオノを両手に握りしめた。
その時、ガタッ！！と家のどこかで大きな音がした。おれとキヨくんはすかさず振り向いて身構えた。
レ「だっ、だれだ…？！」
キ「ジェ、ジェイソンかよ？！オラ！」
心臓がドッドッドッ、と早鐘を打っている。キヨくんも同じ様子だ。おれはバットを構えて音のした方へゆっくり近づく。震える足で。自慢じゃないが実戦向きじゃないぞ、おれたち。
ゆっくりとバットを構えて壁の裏側に廻ると、その陰からキヨくんをも余裕で超える大男がこちらに向かってオノを振り下ろしてきた。
「！！！！！じぇ…！！！」
「ジェイソンだあああ！！！」
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 282人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「実況者」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
いりや(プロフ) - さんご。さん» 貴重なさんご。様のコメント頂きありがたき幸せです！私もさんご様の作品沢山読ませて頂いてます。私には書けない独特のキレ味がたまりません。さんご様の期待に添えるよう、残りの話も頑張ります。 (2021年8月4日 23時) (
レス) id: dfbc56e474 (このIDを非表示/違反報告)
さんご。(プロフ) - ランキングで見て気になっていたので飛んできました！めちゃくちゃ面白いです、、私中々他作品にコメ残すことないのですがこれはぜひ感想を伝えたくて書かせてもらいます、、！これからの更新楽しみに待っております！ (2021年8月4日 12時) (レス) id: 964fb42fef (このIDを非表示/違反報告)
いりや(プロフ) - ゆのまるさん» ひええ、ゆのまる様に読まれているとは…ありがとうございます！占ツクで初めて読んだのもお気に入り作者様第一号もゆのまる様です。牛さん新作も必要以上にチェックしてます、ゆのまる様を惹き込めた自分に乾杯☆ (2021年8月3日 23時) (レス) id: dfbc56e474 (このIDを非表示/違反報告)
ゆのまる(プロフ) - はじめまして、先程誤字があったのでもう一度送ります。すみません（ ; ; ）通知がきてすぐ読ませて頂いてますが、お話が凄く面白くて毎度読むたびに惹き込まれております…！今後のお話の展開もの凄く楽しみにしております（ ; ; ）無理せず頑張ってください…！ (2021年8月3日 23時) (レス) id: 587b75f302 (このIDを非表示/違反報告)
いりや(プロフ) - 颯希さん» お読みいただき有難うございます！すみません、続編作ったのですがまだ公開してませんでした。こちらでもう1話公開してからの続編になるのですが、先に作ってしまった故に紛らわしくなってしまったので一度削除しました。少しだけお待ちくださいませ。 (2021年8月3日 20時) (レス) id: dfbc56e474 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：いりや | 作成日時：2021年6月14日 23時
