怪盗ラストVS我々だ!Ⅵ【d!】 (ページ25)

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Ⅳ-75個目　本当の悪魔ページ25

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「…まさかとは思うが…貴様、

この場にいる俺以外全員と“悪魔の契約”をしたのか…？」

もし、そうだったらこいつは…相当頭がイカれている。

契約を交わす、ということは悪魔の力を人間に受け渡すということ。

俺やアインスは最強クラスの悪魔で、人間の一人や二人なら力を受け渡しても害は無い。

だからハルという女とゾムという男が契約していると知った時、そこまで気にしていなかった。

ただAの、悪魔としての力が弱くなっているだけだと思っていた。

勝つのなんて、余裕だと思っていた。

…しかし、一気に何十人もの人間と契約を交わしていると聞いたら話は違う。

何故、限りのある悪魔の力を何十人の人間に受け渡すという無駄なことをする？

そんなことをしたら戦えないだろう。

満足にも立てないはずだ。

…それなのに、それなのにこいつは。

「勿論そうだが？」

余裕そうな表情で

ニヤリと笑って

ハンカチをちらつかせて

普通に立っている。

バリアや服の変更、武器の出現でかなりの力を消費しているはずのA。

そんな状態のAは、俺と対等に戦っていた。

悪魔の力を完全に解放している俺に。

こいつは…悪魔の俺と対等に戦えるほどの力を持っている。

それも、アインスの力ではない、自分自身の力。

人間の力。

「くっ……」

本物のバケモノは、Aじゃないか。

…いや、それよりもこいつはいつ…この量の人間と契約をした…？

「お前は、俺に勝てるとでも思っていたみたいだな」

Aがゆっくりと俺に近付いてくる。

自然と、足が後ろへ動いた。

「すまん。俺は勝つ勝負しか受けないから、この勝負の勝者も決まってるんだ」

ハンカチからナイフを取って、Aはそれを俺に向けた。

「なぁ、お前も悪魔なら契約の仕方とかわかるだろ？」

「…？」

「そもそも、一度見ている攻撃方法に対応できるはずのお前が負けているっていうのも気になるよな」

Aの、口角が上がった。

「大丈夫。今からぜーんぶ教えてあげるから」