怪盗ラストVS我々だ!Ⅵ【d!】 (ページ20)

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Ⅳ-70個目　彼の能力、透明だからねページ20

｛*Aside*｝

…ガッチさんと兄さん、ショッピ君が何か違和感を感じている。

何だろうか。……まさか…？

「…おい、レアルカ」

間合いを詰めながらナイフを振るう。

「何だ」

レアルカは返事をしながらさっきハルを刺そうとした剣で俺の攻撃を弾く。

会話をするほどに、俺達は余裕なのだ。

「これから“何を出す”つもりだ？」

フッ、とレアルカは笑った。

「察しがいいな。ご褒美に教えてやるよ」

ガキンッと刃を交える。

その体勢をキープしてレアルカの口から発せられる言葉を待った。

「“実験体の成功”」

「!!」

一瞬、力が抜けた。

それを見逃さなかったレアルカは、俺の腹を思いっきり蹴り上げる。

「ッガハッ……ッ!!!」

大量の血を吐く。

ナイフが手から離れ、俺は床に倒れた。

痛い。でも、こんなのすぐに治ｒ

「…え…？」

治らない。

痛みが引かない。

はっ、え…何で？

『…A、回復が追いつかない。レアルカが本気を出しているぞ』

アインスからの報告。

…くっそ、じゃあ今からガチで避け続けないといけねぇのかよ…!!

面倒くせぇぇえええ!!!!!!

とりあえず傷が悪化しないようにゆっくり立ち上がる。

「立っていいのか？A。どーせお前は俺に殺されるんだ。無駄な抵抗はしないでそのまま横になっていた方がラクだぞ」

嘲笑うかのように言うレアルカ。

「…うわ、お前俺をイライラさせる天才かよ。ならば今日からお前は俺のイライラ製造器だ。」

冗談を言えるほどに、俺は余裕なのだ。

このぐらい、カクハにクスリを打たれた時と比べりゃあどうってことねぇ。

「フンッ。本当に強気だな、Aは。アインスによく似ている」

嫌みたっぷりに言われた。

「…そりゃどーも」

なにせアインスの生まれ変わりですからね!!性格も似ますよ!!

心の中でベーッと舌を出す。

「…それで、レアルカ。実験体の成功ってことはお前の言うことを聞くのか？」

指をポキポキ鳴らしながら聞く。

次は素手で戦ってやるわ。

「まぁな。けどやっぱ扱いが難しい。“こいつだけ殺せ”って言ってもその場にいる生きてる人間全員殺すんだ」

ある意味成功なんだよ、とレアルカは言った。

「…その実験体とやらは全部で何体いるんだ？」

「三体。時間の関係上、そのぐらいしか作れなかったんだよ」

…三体を、グルッペン達28人に任せる…か。

ちなみにナクマはアニィを連れて逃げてるよ。

危ないからね。

でも三体なら大丈夫だろ。