シンデレラ！ ページ13
「それで、約束ってなんだっけ？」
「あれだよ、抜けられたら宴会抜けて違うとこで飲もーぜって言ってたやつ。」
「あぁ、そういえば。」
「気不味くて行けねーかなって思ってたけど、まぁ、無事仲直りしたわけですし？」
「ですしね。」
「行きますか？」
「行きますか。」
「まぁ、問題は抜けれるかどうかなんだけど。」
「社内の王子様ですもんね、櫻井くん。」
「よせよせ、同じ平民だっつーの。」
「何言ってんだか、皆目指せシンデレラなのよ。狙うは櫻井。姫の席！ってね。」
「ぶふ、シンデレラ候補そんなに武士武士してんの。」
「ぶしぶししてる。ここで会ったが100年目、櫻井翔の恋人の座を！いざ、尋常に勝負！」
「あははっ！シンデレラってなんだっけ！」
「和洋折衷シンデレラ。」
「ぐふ！」
あははって、笑う瞬間の背中を反る姿勢。笑い上戸の櫻井くんのいつもの動き。ああ、嫌われなかったんだ、って、今更意識して。空気を震わす櫻井くんの笑い声に泣きそうになる。泣きそうになってばっかだな私。
「ちょっと！おれまだ認めてないからね！」
振り返ったさぶろーくんが松本くんにまぁまぁまぁまぁ、って言われながらそう叫ぶ。
「何、俺なんかテスト受けてんの？」
笑いながら言う櫻井くん。
「…気にしなくていいよ。」
きゃんきゃんと吠えるさぶろーくんに、ばか、と心の中でそう呟けば、さぶろーくんはまた、汚名返上できるようなことないと許さなーい！Aちゃん泣かせるやつは認めなーい！って叫ぶ。ばか。
認めるだの認めないだの、何の話してるかはたぶん櫻井くんの事だから分かるんだろうな。今更訂正しても無駄だな。この話の流れで私が櫻井くんのことを好きだーってことは、櫻井くんにバレる可能性はないんだろうけど、さぶろーくん後で一発しめとかないと。
「なぁ、いとこって結婚できるよね？」
「…うん？…まぁ、法律上は。」
「婚約者って、本当に嘘？」
「……嘘だよ。そんなことで嘘つくわけないでしょ。」
「…まぁ、それもそうか。」
「…何で？」
「いや、当たり前だけど、彼氏と言い婚約者と言い、お前にもそんな相手がいる可能性があるもんなんだな、と思って。気になった、少しだけね。」
「…あそ。……残念ながら、部署変更してから一切色恋沙汰とは無縁なの。」
「…ふぅん。そんな感じだな。」
「失礼な。モテるからって嫌味なやつ…」
「あー、拗ねるなってもう。」
「拗ねてない！」
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あま - いつも楽しく拝見させて頂いてます!!! これからも応援してます!!! 頑張ってください!!!!! 待ってます!!!!! (2020年3月18日 1時) (
レス) id: 5287825b4c (このIDを非表示/違反報告)
さおりんご(プロフ) - とても面白く、いつも胸キュンしながら読ませていただいています。陰ながら応援させて頂いてますので更新頑張ってください！ (2020年3月17日 3時) (レス) id: 27caed879b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：藤乃 | 作成日時：2020年2月1日 0時
