第25幕 兄妹 ページ31
貴方side
(貴「此れが家出してからの出来事だ。」
フゥッと息を吐く。
俺はまだ、太宰さんの腕の中。
(水「何故、俺がお前の両親を殺したと思った。」
水木が口を開いた。
(貴「思った?其れは違う。元から知っていた。」
(水「元から?」
(貴「意味が解らないのか?あの有名な"ジャック"も墜ちたもんだ。」
(水「早くしろ。」
(貴「あんた、水木から俺の両親の血の匂いがした。そして、殺害に使用したモノは地下に隠した。そして、華も殺したのも水木、あんただろ?」
(水「地下?ハッ、何の事だ?」
嘲笑する水木。
(貴「地下の鍵に"見覚え"は?」
(水「鍵?華のネックレスの銀の鍵なんて知らねぇ。見覚えなんてねぇよ。それに華の死因は"事故"だ。車に乗っていたのは華と俺とお前だろ!?どうやれば俺が華を殺せるんだ。確実に無理だ。」
俺は口角を上げた。
引っ掛かった。と思った。
(貴「クスクス」
水木は眉間に皺を寄せた。
(水「何が面白い。」
(貴「お三方お気付きになられましたか?」
俺は太宰さんと国木田さんと乱歩さんに訊いた。
(乱・太「「そう云う事か」」
(国「?」
太宰さんと乱歩さんは判ったようだが、
国木田さんは判っていないようだ。
(水「おい。」
(貴「貴方は1つミスをしました。」
(水「ミス?」
(貴「俺は地下の鍵に見覚えはないかと訊いた。けど、水木は"華のネックレスの銀の鍵なんて知らねぇ"と云った。可笑しい。」
(水「何が可笑しい。」
(貴「だから俺は"地下"の鍵と云ったんだ。"華のネックレスの銀"の鍵とは云ってない。」
(国「どういう事だ?」
(太「詰まり、玲ちゃんは"地下"の鍵と云ったんだ。"華のネックレスの銀"の鍵とは云っていない。見覚えのない筈の彼(水木)が鍵の特徴を云える筈がないと云うことだ。」
水木は諦めたように
(水「そうだ。"お前達"の両親を殺して、華を殺したのも俺だ。」
ん?"お前達"?
(貴「お前達だと?」
(水「そうだ。お前には、兄が居たんだ。今は知らねぇけど。」
は?兄?俺に兄が居たのか?
(貴「兄なんて知らねぇ。」
(水「だろうな。何せ、お前等は生き別れだからな。兄の名前が知りたいか?」
水木の問いにドクンドクンと心臓がなる。
(水「兄の名は"江戸川乱歩"。」
(貴「え、嘘だ。」
(水「嘘?ハッ、今は真実が一番通用する。嘘なんて誰が云うか。」
何かに突き落とされたような気分だった。
第25幕fin
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HanaHana125(プロフ) - やべっ!お母様と同じ名前になっちゃった、私の名前はなだから (4月18日 20時) (レス) @page2 id: 5152f22d97 (このIDを非表示/違反報告)
包帯少女(プロフ) - 桜紅葉さん» 有難う御座います!続編もコメントを是非! (2018年1月27日 22時) (レス) id: 7a88606d9f (このIDを非表示/違反報告)
桜紅葉 - 太宰さんがいいです! (2018年1月27日 20時) (レス) id: 54de0e772b (このIDを非表示/違反報告)
包帯少女(プロフ) - マイさん» マイさん、投票有難う御座います! (2017年9月30日 11時) (レス) id: 7a88606d9f (このIDを非表示/違反報告)
マイ(プロフ) - 投票は敦くんにお願いします! (2017年9月30日 9時) (レス) id: 84bd0e8698 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:黒幕 | 作成日時:2017年6月16日 6時