虹がつなぐ (ページ13)

今日:13 hit、昨日:41 hit、合計:60,164 hit

・ページ13

望side

「A、ここ座り」

電車に乗り込むや否やすぐにあいている座席を確保してAを呼び寄せる

今日は家の最寄りから座らせられてよかった

A「ありがと

のん、荷物かして」

「ええのに、ありがとな」

いつも自分だけ席に座れた時はおれの荷物まで持ってくれるできた妹

おれらが通う高校は電車で3駅先にある公立高校

父親である淳太ともはやほぼ父親ポジションの大毅によって高校選択で重視されたのは立地と設備

Aのかかりつけの大学病院は電車なら2駅、車なら20〜25分程度の距離感で

地元の公立の小学校、中学校とは違って学力を加味して電車通学も選択できる高校選びは慎重にならざるを得なかったらしい

何よりはできることならあってほしくはない緊急事態の時にいち早く病院に行けること

そしてあわよくば学校でも体調を見てくれる人がいることがおとんと大毅の希望やった

そこで白羽の矢が立ったのが今通っている高校で

府内にも数少ない特別支援級が併設されている学校で保健室には看護師さんも常駐しているなんとも願ったり叶ったりな高校

頭のいいAには余裕すぎる学力やしおれにとってはちょうどいいレベルでほぼ即決やった

もちろんAと同じ学校を選んだのは自分の意思

当然、おとんはおれはおれで好きなところに行けばええって言ってくれたんやけどこの期に及んでAと違う学校に通うメリットがわからんくて迷いもせずに断った

自分で言うのもなんやけどおれ多分結構なシスコンやねん

いや、勘違いしてほしくないけど大毅も流星もそうやしおとんに関してはえげつない親バカやから

これは中間家の性やねん、しかたなし

・