▼ ページ4
リビングで溜まっていたアニメを消化するためソファに深く腰かけた彼の足の間に座らされ腹に腕が回された状態でリゼロを見ていた。
「...レムが好きなくせしてなんで私なん？」
し「アニメとリアルは違うやろ。」
「真逆な気がするけどなぁ。あんな献身的でも無いし。」
彼が配信者だと気付いたのは知り合ってから数回目位の時。
声に聞き覚えがあったので何となく聞いてみれば笑いながら自分が【渋谷ハル】だと教えてくれた。
後に告白され付き合ったが、興味本位で見たwikiで載っていた好きなタイプが今見てるアニメのヒロインで、何のお遊びなんだろうと思ったのが懐かしい。
し「ガチ恋相手にホンマの事言ってもしゃーないやん。渋谷ハルやなくて俺として見てくれる人がええねん。」
「あーね。それは何となくわかるかも。」
ぎゅっと抱き締められ私の肩に顔を埋め喋る彼の明るい髪を撫でる。
うん、暗い系の方が似合うのに勿体ないな。
し「...なぁ。なんで俺誘ってくれへんかったん。」
「へ？」
し「APEX。」
「あーね。今日配信するって言ってたから。仕事の邪魔できないでしょ。」
し「Aも配信者なればええ。」
「またその話？やだってば。皆みたいに話もゲームも上手くないのになりたくないよ。推し活も堂々と出来なくなるし。」
顔を見なくてもむすくれてるのがわかる声色に思わず笑ってしまうが少し前から続く勧誘を丁重にお断りする。
し「俺以外要らんやん。俺じゃ不満？」
「推しと彼氏は別でしょ。強気な渋谷ハルはどこ行ったんよ。」
し「Aは渋谷ハルの方が好きなん？」
「しつこっ。毎回それ言ってるやん。そんなに不安なら離れる？」
し「それは無理。Aやないと嫌や。他の男と付き合うとか考えただけで気ぃ狂いそうになる。」
付き合ってから知った彼の激重感情。
他の男とゲームしてるとわかっただけで家凸するくらい溺愛されているらしい。
軽い気持ちで付き合った事を後悔してないかと言われると何とも言えなくなる。
「じゃあそんなん言うの辞めな。自分下げるだけやで。仕事以外で他の男と出掛けたりもしてへんのやから許してや。」
し「...そんな事したらもう仕事辞めさせて俺の家に住ませる。」
「重！もう外に出す気ないやん！」
し「だからやらんとって。マジでするよ。」
配信で聞いた事のない低い声で脅されやれやれと頭を抱えた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 66人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆうな | 作成日時：2024年10月30日 21時
