C'est la vie. (ページ20)

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紫 side

ふと、意識が浮上する感覚で目を覚ます。

濵「え…………、どこやここ……」

整理整頓されて綺麗に片付けられた部屋。

その部屋には高そうな家具が置かれていて。

動いた拍子に落ちたブランケットは、見たことの無いもので。

……このブランケットのロゴ見た事ある。めっちゃ高いブランドのやつやん…………。

周りを見渡しても誰もいなくて。

誰かが助けてくれたことには違いないんやろうけど。

…………………………、あかんまた記憶飛んでもうてる。

部屋に掛かってる時計の時間的に朝ということはわかるけど、

日付を確認しようにも手元には何も無くて。

濵「…………あー、どないしよ」

見渡した限り自分の荷物らしきものもなさそう。

記憶をなくす直前を思い出そうにもどうも朧気で。

いつもは記憶がなくても自分の部屋にいるから、見知らぬ人の部屋にいることは初めてで。

どうしようもなくボーッと窓から見える景色を眺める。

……この景色見た事ある気がすんねんなあ。

しばらくそうしてると、バタバタと聞こえてくる足音。

開いた扉の向こう側には、ミルクティー色の髪をした同い年くらいの男の人が立ってて。

中「………………っ」

驚いた顔をした彼と視線が合う。

中「………………あのっ、…………えっと……」

自分よりも彼の方が慌ててる姿を見て、不思議と悪い人じゃないんやろなって思う。

どれだけの期間かわからんけど、誰かもわからんようなやつ家に置いてるんやから、確実に悪い人やないやろうけど。

濵「助けてくださったんですよね、……ありがとうございます」

俺がそう言うと駆け寄ってくる彼。

その顔には俺でもわかるくらい安堵が滲んでて、かなり心配かけてしまったみたいや。