40.洞窟 ページ9
洞窟の入口は人が一人入れるかな小ささで
先に入った和也さんが差し出した手に掴まると
先の見えない暗闇へ足を踏み入れた
ドキドキとワクワクが入り交じった
小さな頃に戻ったようなその感覚
暗闇とばかり思ったその場所は
入口を抜けると直ぐに大きく抜けるような高さの空間で
中にある小さな湖が一筋の太陽の光を溶かし
洞窟を一面のブルーに染めていた
「…………………すごい」
二宮「想像以上」
暫くの間、手を繋いだままにその綺麗な景色に見とれていると
彼が繋いだ手をソッとはなした
湖に近づいたと思ったら
彼は急にシャツのボタンを外しはじめる
「えっ、和也さんっ」
焦る私に
悪戯っこな瞳に笑う彼
二宮「せっかくだから泳ごうよ」(笑)
「泳いでいいんですか！？」
二宮「そのための…でしょ？」
実はシャワーの前にワンピースの下に水着をきるように言われていて
その時は後で海で泳ぐためなのかと
「そのための、だったんですね」(笑)
湖は水底まで見えるくらいに透き通り
水温も心地よい
彼と時間も忘れはしゃぎ
湖の奥へと進むと
水面のブルーにクリスタルを散りばめたようにキラキラ小さな輝きを放つ
二宮「Aちゃん？」
当たり前だけど手の中に掬い上げてもただの透明な水
「イタリアにある青の洞窟もこんな感じですかね」
二宮「今度行ってみる？」
彼の当たり前に言った何気ない一言が
あ、何だか夫婦だなって
「はい」
私達は仕事が特種なせいか恋人の時は旅行に行くこともなかったし
でも、これからは何処かに行くときは当たり前に彼の中に自分がいることが嬉しい
二宮「ん？」
「いえ…」
一筋の太陽の光が彼を柔らかく照らす
二宮「どうしたの？」(笑)
ブルーの世界に１つ太陽の色に染まる彼はあまりにも…
「……すごく…綺麗だから」
二宮「だね」
自分の事とは思っていない彼は上から射す光に目をこらし見上げた
「違くて…」
二宮「Aちゃん？」
「和也さんがあまりにも綺麗だから」
私の言葉に驚いたように目を見開くのは一瞬
次には意地悪く笑う彼に″しまった″っと思うには遅すぎた
二宮「すごい口説き文句」(笑)
「す、すみませんっ……和也さんっ」
グイッと引かれた手に
二宮「″綺麗″なんでしょ？俺」
安易に彼の腕の中に囚われる私の身体
「それは」
二宮「なら、そらさずこっち見て」
「…あまり…いじめないで」
二宮「いじめないよ…意地悪はするけど」
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aracick5963(プロフ) - 更新ありがとうございました。最後にオーナー登場嬉しかったです。いろんなお話楽しませて頂きました。Xにもお邪魔したいですけど、私ほぼ閲覧なので諦めます。また機会があれば、お話よませてくださいね。 (11月30日 0時) (
レス) @page21 id: 4219fda75e (このIDを非表示/違反報告)
2-38(プロフ) - みかぽさん» みかぽさん、コメントありがとうございます！お祝いのお言葉とても嬉しく感謝の気持ちでいっぱいです！色々とあり寂しいですがこちらでほっこりしていただけたら嬉しいです。 (11月29日 10時) (レス) id: 669851ff1c (このIDを非表示/違反報告)
2-38(プロフ) - ラッシーさん» ラッシーさん、コメントありがとうございます！すごくよくわかります！ファンとして色々と複雑な感情ですよね。今回の最後に大野さん目線なのはやっぱり大野さんの存在の大きさというか上手く言えませんがリアルもお話も絶対的な存在だなってしみじみ思います。 (11月29日 10時) (レス) id: 669851ff1c (このIDを非表示/違反報告)
2-38(プロフ) - 愛渚さん» 愛渚さん、こちらへのコメントありがとうございます！そうですよね、色々と有りすぎて私達がどうにか出来ることでもないので安心し、また彼等を応援できるようになりたいっと願うばかりです。彼スーお時間ありましたらまた是非に！ (11月29日 10時) (レス) id: 669851ff1c (このIDを非表示/違反報告)
2-38(プロフ) - ともさん» ともさん、コメントありがとうございます！長い間お待たせしてしまったにも関わらず最後までお付き合いくださり感謝の気持ちでいっぱいです。また既存作品の更新を進めていく予定なので覗いていただけたら嬉しいです。 (11月29日 10時) (レス) id: 669851ff1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：2-38
| 作成日時：2020年12月17日 22時
