34.限界←12/26 ページ3
「素敵…」
彼の猫背な背中越しに見えたのは
真っ白な砂浜には想像もつかないような近代的なデザインの一軒の家
想像なんてする暇はないけど普通なら南の島にある宿泊場所といえば
コンドミニアムや
如何にもなコテージ
でもスクエアな外観はどこかパズルのようで
デザインは巧みなのに無駄が１つもない
海に面した全ての壁面はガラス
だから部屋の中までよく見えた
きっと部屋からは何処にいてもこのビーチが見えるんだろう
現代美術館のようなモダンなデザインの豪邸
海という自然と人工的無機質な建物は一見真逆な相反するものに見えるけど
真っ白な浜辺には何故だか溶け込んでいて不思議だ
二宮「気に入ってくれてよかった」
優しい笑顔の彼
「もう、言ってください、驚く方が先で感動が気おくれしちゃいます」
彼の手に連れられ家に入ると外気とは一変
涼しい風に心地よさを感じる
二宮「可愛い文句だから聞いてあげたいんだけどさ」
だけどそれは一瞬の余裕で
荷物をゆっくりと置いた彼は
急に私の身体を引き寄せる
「にっ、二宮さっ」
しまった、っと思った時には既に遅くて
彼の薄くて綺麗な唇の口角が持ち上がり意地悪く笑う瞳
二宮「早速教えてあげなきゃね」
蔑む瞳が私の身体をなぞるように捕らえ
「えっ…んっ！？」
私の言葉を飲み込むように重なった唇
「にっ…和也さん、お部屋見てまわりませんか」
グイっと彼のシャープな顎をつかまえ必死に出た言葉
だけど容易くその手をとられる
二宮「それはあとでゆっくり…とにかく抱かせて？」
直球過ぎる言葉にたじろぐと
「っ」
彼は強引な手をほど気刹那的な瞳に私の頬を優しく撫でて囁いた
二宮「限界」
ずるい
そんな言い方されたら
私だって…
和也さんとやっと本当に二人っきりになれたわけで
「…私も限界だったみたいです」
ぎゅっと彼に抱きつくと彼の甘い香りに身体が侵食されていく
なのに彼は私の背中に回した腕を急にパッと降参のポーズに離した
二宮「あーっクソッ」
「和也さん？」
私から離れた彼はくしゃくしゃっと髪をかきみだし
薄い唇を子供のようにとがらせる
不揃いに乱れた前髪の隙間から見える瞳はまだ私を魅了してやまないのに
二宮「やっぱり今は我慢するよ」
彼は私の思考を読んだように
ゆっくりと左手を私の目の前に出した
「え？」
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aracick5963(プロフ) - 更新ありがとうございました。最後にオーナー登場嬉しかったです。いろんなお話楽しませて頂きました。Xにもお邪魔したいですけど、私ほぼ閲覧なので諦めます。また機会があれば、お話よませてくださいね。 (11月30日 0時) (
レス) @page21 id: 4219fda75e (このIDを非表示/違反報告)
2-38(プロフ) - みかぽさん» みかぽさん、コメントありがとうございます！お祝いのお言葉とても嬉しく感謝の気持ちでいっぱいです！色々とあり寂しいですがこちらでほっこりしていただけたら嬉しいです。 (11月29日 10時) (レス) id: 669851ff1c (このIDを非表示/違反報告)
2-38(プロフ) - ラッシーさん» ラッシーさん、コメントありがとうございます！すごくよくわかります！ファンとして色々と複雑な感情ですよね。今回の最後に大野さん目線なのはやっぱり大野さんの存在の大きさというか上手く言えませんがリアルもお話も絶対的な存在だなってしみじみ思います。 (11月29日 10時) (レス) id: 669851ff1c (このIDを非表示/違反報告)
2-38(プロフ) - 愛渚さん» 愛渚さん、こちらへのコメントありがとうございます！そうですよね、色々と有りすぎて私達がどうにか出来ることでもないので安心し、また彼等を応援できるようになりたいっと願うばかりです。彼スーお時間ありましたらまた是非に！ (11月29日 10時) (レス) id: 669851ff1c (このIDを非表示/違反報告)
2-38(プロフ) - ともさん» ともさん、コメントありがとうございます！長い間お待たせしてしまったにも関わらず最後までお付き合いくださり感謝の気持ちでいっぱいです。また既存作品の更新を進めていく予定なので覗いていただけたら嬉しいです。 (11月29日 10時) (レス) id: 669851ff1c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：2-38
| 作成日時：2020年12月17日 22時
