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247.クラクション ページ7

「んっ」


車という限られたスペース

二宮さんの体重もかかっているせいなのか

それとも息継ぎの暇すら与えてくれないキスのせいなのか


頭がクラクラしてくる



「二宮さっ………まって」

彼の肩を押す手は無意味なように捕まえられ


二宮「待てない」

その一言に全てがリセットされてしまう

誘惑される意識をどうにかとめて

「でもこのままだと私も酸素マスクが必要になります」

必死に出た言葉

彼はきょとんっと一瞬するものの



二宮「ああ」(笑)

何の事か気づくと私から身体をお越し

二宮「ごめん、重かったよね?」(笑)

笑いながら私の身体を引き寄せると

二宮「それじゃAちゃんが上においで」

とんでもないことをサラリと言った

「えっ!?だっ…」

そして問答無用なその視線

二宮「"無理"も"時間がない"も"人がくる"もいらないよ」

私が言う前にそれを全て言う彼



二宮「A…きて?」


「はい」


ゆっくり腰を浮かせ


運転席に座る彼の上に跨がる

恥ずかしさに俯く私の顔を上げさせたのは

彼の強かな指先だった


ワンピースの胸元にかかるリボンを人差し指にかけ


ゆっくりとそれをほどく


思わず顔をあげ彼を見た時だった


二宮「直ぐに引っ掛かる」(笑)

無邪気な笑顔とは裏腹に大人な舌先が唇が重なり前に私の唇に触れた

柔らかなシフォン素材のワンピースが可愛さではく

彼の触れた手の熱を最短に伝えるためだって

ゆったりとしたそのデザインは長時間のフライトのためではなく

太股に這わせたその手が容易く侵入できるためだって

そしてほどいたリボンにはだけた胸元に彼は口づけその先をねだらせるように上目遣いに私を見た


彼は何れだけ先を見ているんだろう


無駄なんて1つもないように思える



胸元に走る甘い快楽に溺れ

おしあてられた腰に思わず仰け反る身体が

ハンドルにあたり

クラクションが静かな駐車場に響いた


引き戻すように彼が私の身体を抱きよせた


二宮「こらこら」(笑)

「ごっ、ごめんなさい」


露になる肩に彼は笑いながら口づけるから擽ったさに身をよじり二宮さんの顔を見る



ただ貴方にある無駄が

この幸せそうな笑顔にあるのなら

多少の無茶も悪くないのかなって


二宮「大丈夫だから俺に集中しよっか?」

クラクションに高鳴った鼓動がまた彼の色香に揺らされ加速していく

乱れ落ちた私の髪を指先に耳にかけてくれた手はそのまま私の顔を引き寄せ

溺れる感覚を掬い上げるように唇が重なった

248.愛情の物差し→←246.勝者の笑み←10/25



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作品ジャンル:恋愛
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作者名:2-38 | 作成日時:2019年10月14日 11時

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