彼のスーツを脱がす時８【NINO】 (ページ19)

今日:9 hit、昨日:31 hit、合計:275,312 hit

228.日課←10/14 ページ19

二宮「今日はどうだった？」

「櫻井さんにはかなりわかりやすく教えてはもらってると思うんですけど自分のスキルにするまではまだまだ時間がかかりそうです」

二宮「そっか」

二宮さんとの電話は相変わらずで

二宮「また実務になれば変わるだろうし、大野さんにも相談してわからなければ俺に聞いてもいいし」

彼の声は１日頑張った自分へのご褒美だ

「ありがとうございます」

二宮「そうだ、多分明日には小山さんからオープニングパーティーのタイムスケジュールが送られてくると思うから」

オープニングパーティーまでは一週間をきっているのにその詳細も私は全く知らない

「私、何もしてないし用意もしてなくて」

櫻井さんにきいても二宮さんに聞いてもあやふやな答えしかかえってこず

"パーティー"なんていう名目ならそれなりの格好も必要で

そんな急に言われて"これ着よう"って直ぐに着ていけるような洋服がないわけで

できたらパーティーの概要だけでも知りたかった

二宮「大丈夫、何の心配もいらないからAちゃんは楽しんで」(笑)

「…はい」

二宮「日本に帰国する日は変更なしで大丈夫？」

「はい、大丈夫です」

二宮「待ってる」

待ってるっというその一言に自分の帰るべき場所は二宮さんのところなんだって

「はい」

そう思うと

二宮「おやすみ」

早く

「おやすみなさい」

一秒でも早く彼に会いたいと願いながら電話を切った

いつもならスマホのアラームで目が覚めるのに、その日は呼び鈴で目が覚めた

こんな朝早くに誰

だらしない身なりを手早く整え呼び鈴を鳴らす相手を出迎えると

櫻井「おはようございます」

「さっ、櫻井さんっちょ、ちょっと待ってください」

セキュリティーはしっかりしているものの日本のようにモニターフォンではなく

スピーカーで聞こえた櫻井さんの声に慌ててガウンを引っ張り出した

「おはようございます」

玄関のドアを急いであけると

ブラックの生地に紫の糸が織り込まれた光沢のあるスーツ姿で朝から目眩がしそうなくらいの爽やかな櫻井さんが笑顔に立っていた

櫻井「朝早くから申し訳ありません、社長から出来るだけ早く届けるようにと言われましたので、お出掛け前にと」

「いえ、私の方こそこんな格好ですみません、二宮さんからって？」

櫻井「小山から昨日メールで届いたぶんです」

渡されたのは昨夜二宮さんから聞いていたタイムスケジュールと

櫻井「あとこちらは社長から」

大きな箱だった