彼のスーツを脱がす時８【NINO】 (ページ16)

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225.言い訳【side NINO】ページ16

櫻井「おはようございます」(笑)

彼女のマンションの完璧なセキュリティを実際に確認出来て満足に出ると

既に車の外で待っていた翔ちゃん

ほぼ2日間まともに寝ていないような状態で

それでもあの日、翔ちゃんからの報告と彼女の電話の声だけで直ぐにイギリスに向かう事を決めた

「貴方いちいち朝帰りのワタシを笑うよね」

後部座席のドアをスマートに開けると俺の視線に咳払いをして笑うのを堪えた翔ちゃん

櫻井「あまりにも連絡が早かったので…」

「何が言いたいの」

櫻井「スケジュール調整頑張ったつもりなんですが？」

午後の会議から全てをキャンセルか小山に代打を頼んだ

「助かったよ、ありがとう」

それからのスケジュールも全て組み替えてくれた

櫻井「まだゆっくりされてても」

「Aちゃんには会わない約束だからね」

櫻井「ってまさか」

信号機に停まった車

俺の言葉に思わず振り向いた翔ちゃんは

「彼女が起きる前に出て来たよ」

さらに大きな目を大きく見開いた

櫻井「は！？」

「前！」(笑)

信号機がかわり慌てたように発進させた車

櫻井「すみません、起きる前にってAさん気づかれてないんですか？社長がいたことに」

「今頃は気づいてるんじゃない？」(笑)

お粥も冷蔵庫に入れてきたし、メールもしたからさすがに目が覚めてれば気づくだろう

櫻井「それならせめてAさんが起きるまで」

部屋に行くと彼女はベッドに倒れていて

心臓がとまった

だけど荒い息づかいに真っ赤な頬、取り敢えず生きててくれた事にほっとし

急いで医者に来てもらった

「それは結果Aちゃんのためにならないし…」

一晩で熱も下がり、医者の診断も過労だろうと

Aちゃんのためにならないっなんて大義名分

看病を言い訳に彼女との約束を破ってしまった後ろめたい自分を隠したいだけだ

でも

言い訳序でに本当の理由はもう一つあった

櫻井「社長？」

いや、彼女にあって"出来た"っというのが正しいのか

「やらなきゃいけない事ができたしね」

直ぐにでも日本に戻らなければならない理由をスマホの液晶をスクロールさせ確かめる

櫻井「やらなきゃいけない事？」

「うん」(笑)

櫻井「嫌な予感しかないのですが」

「またまた～頼りにしてますよ、櫻井秘書」(笑)

櫻井「帰ったら直ぐに打ち合わせですね」

「いや、打ち合わせは飛行機で…日本に着いたら直ぐに大野さんに会えるように手配して」

櫻井「承知いたしました」