彼のスーツを脱がす時７【NINO】 (ページ10)

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指先に目頭をおさえ何処か呆れたように笑う二宮さん

二宮「…だからね？」(笑)

まるで子供に言い聞かせるようなその声に

「はい？」

二宮「いや、何でもない」

何かおかしな事を言った…って言うより長年一緒に苦楽をともにしてきた櫻井さん、小山さんに自分もだなんて馬鹿なことを言ってしまった

「あ…すっ、すみません、私…っ」

急にキュッと掴まれた肩に視線をあげると

二宮「違う…櫻井さんに小山さんが知らない俺を貴女は見てると思うよ？」

彼は意地悪く笑う

「えっ！？」

私が櫻井さんや小山さんも知らない二宮さんを…

その意味に気づいたのはこの後聞こえた彼の声が

二宮「わからない？」

蜜のように甘い声だったから

「二宮さんっ！？」

掴まれた肩はあっという間にキッチンの壁際につけられ

二宮「こういう俺は貴女だけ、貴女もでしょ？」

彼の腕の檻に簡単に囚われる

「そっ、そうですけど、まっ」

グイっとあげられた顎に逃げようもなくて

彼の後ろの方から引っ越し屋さんと小山さんが話す声が聞こえる

二宮「もっと知りたいでしょ？」

もっと…って耳に寄せた唇がもったいぶったように囁く

「今はっ」

スルリと冷たい指先が首筋をなぞり

二宮「今だから見れる事もあるよ？」

私を上目遣いに見た彼はその視線のまま

唇に当たらないギリギリの場所に唇を這わせた

「んっ…」

飲んだ息に唇を噛む前に首筋をなぞった指先が私の唇に割り入る

見下す瞳は強かなのに

彼の色香に惑わされる私に彼は無邪気に笑って

二宮「俺に限りだけどね」(笑)

そんな事を言う

「っ」

ウエストに這わせた手が強く腰を引き寄せ

二宮「こんな貴女を誰にも見せちゃ駄目だよ？」

次が欲しいと思考が動く前に求める身体は

「…はい」

従順にその答えを出して

二宮「…お利口さん」

彼は綺麗に上がる口角に私が一番欲しいものをくれた

重なる唇はゆっくりと熱を浸透させる

彼の唇はいつも冷たくて

自分だけがって思うのは一瞬

交じり合う吐息は熱く私の熱を更に上げる

逃がしきれない熱に焦れったさともどかしさをどうにかしたくてギュッと二宮さんのシャツの胸元を掴むと

少し離れた唇に彼は笑う

二宮「…困ったちゃんだね」(笑)

二宮さん

「ご…めんなさい」

その笑顔は私のものだけだって

二宮「謝らなくていいよ…」

思ってもいいですか？

　

二宮「俺も…同じだから」