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181.制御不能 ページ1

朝目覚めると

少し汗ばんだ身体の理由は

ずっと

この腕に抱き締められていたから

腕の主を起こさないようにと

上目遣いに見ると彼の顎のホクロが見えて

顎にうっすら見えた髭にも何故たが愛しさを感じてしまう私はきっと端からみたら変な人間に見えるんだろうけど

でも

…幸せ

普段見えない、見れないものを見れる喜びは皆共通に嬉しいんじゃないだろうか

いつも私が目覚めると起きている彼だから

寝顔にも顔がニヤけてしまう



二宮「腕の中で朝からそんな可愛くジタバタされちゃうと上手く狸寝入り出来ないんですけど?」(笑)


吹き出すような笑い声とともにいきなり聞こえた声に心臓が痛いくらいにはねあがった

「おっ起きてたんですか!?」


二宮「うん」(笑)


「もう、ヤダ」

恥ずかし過ぎるっと彼の胸に顔をかくすように埋めると

抱き締めた手があやすように優しく髪を撫でた

二宮「ごめんって」(笑)



「狡い…です」

"許す"言葉なんて言ってないのに

観念した私に気づいた彼は意地悪く笑う

二宮「ありがとう」

クシャッとされた前髪に額に口付けられると起き上がる彼


二宮「そう言えば昨日俺が着てきた洋服って」

「あ…」


二宮「ん?」


「いえ、洗って乾燥機にもかけたので」


二宮「ありがとう…って、何か言いかけたでしょ?なに?」


「何でもないので気にしないでください」

二宮「言わないと意地でも言わせるよ?」

グイっと引き戻すようにベッドに押し倒されると

「ちょっ、えっ、二宮さっ」





首をゆっくり辿る指先が胸のボタンに止まる


二宮「ほら?」

耳を柔く噛まれ


「ん…っ…ダメっ」


かかる彼の吐息に身体をふるわせると


二宮「っ」

急に私の胸元に顔を隠すようにして止まる彼


「あ…の…二宮…さん?」

問いかけにチラリと見た瞳は30過ぎた男性に言う言葉じゃないけど

可愛い



二宮「そんな甘ったるい声きかせないで」


「それはっ」

諦めたように身体を起こす彼は

二宮「うん、俺のせいだね」(笑)

困ったように笑うと寝癖の髪をクシャッと掻いて私を悪戯微笑みに見た


二宮「だから、制御不能で仕事いけなくなったらウチの社員達が困るから言って?」

そんなこと言われたら…



「…スーツ………着ますか?」

トルソーではなくその横にあるラックにかかったカバーに視線をむける



二宮「え?」



そう、彼の採寸データはあるわけで…


「二宮さんの…スーツ……あるんです」

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作品ジャンル:恋愛
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作者名:2-38 | 作成日時:2019年8月8日 7時

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