02.Peach←4/6 ページ3
二宮「桃って…何か卑猥じゃない？」
何でもない事が意味を持つのは二宮さんのせい
「なっ何言ってるんですか」
強かな視線は私の欲に火をつけ煽る
二宮「甘美な香りに」
近づいた距離はキスを誘うのに
彼は私の唇には触れずに
左耳に艶やかな唇をよせ
二宮「甘くて」
甘く低い声に囁き
二宮「滴り落ちるほどに柔らかい」
竦めた肩に彼は意地悪く笑う
二宮「…Aちゃんみたい」
そして
重ねた額と額に確信をつく上目遣いに私を見た
「そんなっ…」
時間にしたらきっと一分にも満たない
だけど焦らされた時間は数時間のようにも思えて
二宮「食べていい？」
彼のその一言に小さく頷くと
彼は勝者の笑みに瞳を歪ませ
甘い唇を私に重ねた
最初は誘い込むように焦れったく軽いキス
彼の指先にあげられた顎
今度は舌先を這わせ
首筋へと辿る唇は
まるで指先が残した桃の甘い蜜を追うようで身構えると
彼は小さく笑った
ウエストに回された手にエプロンの紐をゆっくりとほどかれ
腕からそれが床に落ちると
撫でられた太ももにスカートが託し上がり吐く息の熱がまた一段階あがる
「二宮さん…まっ…て」
私の言葉を繋ぐ事を許さないように唇が重なる
二宮「ん？」
「こっここで？」
今さら言うのも野暮だけど彼の部屋はある意味特別で
秘書の小山さんが自由に出入りしたりするわけで…
二宮「Aちゃんは何処がいいの？」
「寝室…がいいです」
二宮「いいよ…おいで」
そして寝室は別の意味を持つ
彼の琥珀色の瞳の奥が黒く艶やかに揺らいで見えた
指先だけに繋いだ手に寝室に入ると
彼はキャビネットに手をかける
そして手にしたそれを私にわかるように見せると支配的な視線に唇を開いた
二宮「脱いで？」
Noとは言えないそんな声
ゆっくりと服を脱ぐと羞恥に二宮さんを直視出来るわけもなく
だけど一歩一歩ゆっくり私に歩み寄ると
顎をグイっと上にあげ私を見下げる
合った視線に彼は私の手首を取ると
手にしたロープに両手首を縛った
自由を奪うのに
二宮「桃みたい」
頬を柔らかく撫でる彼は今さっきまでとは真逆に優しく甘く微笑む
「…え？」
二宮「ピンク色に染まってるから」
「言わないでください」
指先のかわりに頬に唇を寄せる彼
二宮「桃の花言葉って知ってる？」
サディスティックな行動に似合わない彼の言葉
答えられない私に彼は悪戯に笑って答えをくれた
二宮「ワタシハ…アナタノ…虜」
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作者名：2-38
| 作成日時：2020年4月4日 11時
