【7/3完結】エンゲージリング【NINOBD】 (ページ6)

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6.5.証明させて←6/12 ページ6

インターフォンが鳴り

濡れた手を拭いながらキッチンを慌てて出てモニターフォンに向かう

モニターには少し疲れた横顔の二宮くんがいて

「はい」

不謹慎だけど

二宮「俺」

そんな彼にも格好いいって

胸が簡単に疼く

間もなくして部屋の呼び鈴が鳴って

早く出たい気持ちを抑えるように一度深呼吸をすると

解錠した玄関のドアをゆっくりと開けた

二宮「ごめん、思ったより遅くなって」

慣れたように私の部屋に入る彼はスーツのジャケットを脱ぐから

「ううん、大丈夫だったの？」

それを受け取ると"彼の場所"にかける

二宮「取り敢えず今夜は…って感じかな」

項垂れるようにソファーにすわると緩めたネクタイに天を仰ぐ彼は溜め息に目頭をおさえた

「それじゃ明日も早いの？」

キッチンにいる私に彼は苦笑いする

二宮「だね」

「ビールでいい？」

返事も待たずに冷蔵庫から出したビールのプルタブをあけ

彼にそれを渡した

少しでも彼のとってあげたいっとしか思っていなかった私に彼は意外な事を口にした

二宮「さすが"櫻井部長の間宮ちゃん"」

「は？」

二宮「貴女のあだ名」

「…何…それ」(笑)

二宮「つうと言えばかあだからね、貴女達」

周りからは確かに夫婦のようだっなんてからかわれたりするけど

二宮くんにだけは言われたくない

イライラは冗談を本気に簡単にかえる

だけど

「仕事上でしょ…っ」

いきなり引かれた手にバランスをなくす身体は

二宮くんの座っていたソファーに雪崩れるように倒れて

気づいた時には

私の上に覆い被さるように乗る彼が伏し目に私を見下ろしていた

ハラリと落ちた前髪

何かのスイッチが入るような感覚

二宮「当たり前」

彼の掠れた低い声に危険信号が点滅する

「二宮…く…ん？」

親指の腹に撫でられた唇

二宮「仕事じゃなきゃ許さないよ」

「何言って…」

言葉を遮るように歯に食い込むように親指を割りいれる彼は何処か強かで

二宮「貴女は俺のものって………」

数秒の間にも焦らされる自分に呆れるのに

「な…に？」

綺麗に持ち上がる彼の口角にまた一度体温が上がる

二宮「証明させていただきますよ」

「まって、シャワーっ」

彼の香りは煙草の苦い香りなのに

ふわりと舞い落ちるようなその香りは蜜のように甘くて

二宮「黙って」

唇にかかる声と熱

その香りを取り零すことのないようにそのキスに応える

息継ぎの合間に彼と合う視線は至極魅惑的で堕ちるような感覚に溺れていく