拾伍ノ話 ページ16
Aside
「私の身体に何が起こっているのか教えて欲しい。」
私は思い切ってしのぶに聞いてみた。
気になってしまうのは人間の性ですから。
その話をしだした瞬間、足下の重みが軽くなった。
「…………待て。
その前に俺から話をさせろ。」
喋り方からして今起きたわけではなさそうだ。
「起きてたんだ。
おはよう……。昨日はありがとう。
話って………子供の……?」
実弥が反対する理由なのだろう。
「Aさん。
不死川さんの話はおそらくAさんの身体にも関係してくることです。
だから…………。」
何となく、そんなとこだろうとは思ってた。
「しのぶ、大丈夫だよ。
実弥、話して?」
私は実弥の目を真っ直ぐ見つめる。
「まず、3ヶ月前のお前が大怪我をしたあの日。
言っていなかったが、あの怪我で後遺症が残ったんだ。
それが、
臓器機能の低下及び、体力の低下だ。」
確かにそう考えると、辻褄が合うのかもしれない。
でも。実際にそんなことを考えられるほど余裕はない。
──────鬼殺隊は?
──────子供は?
どうなるの?
私の中でぐるぐると渦を巻く。
「俺は今…………凄く後悔してる。
あの時に言っときゃァよかったんだ。
そもそも俺がっ……………
お前を守れなかったァ…………!!」
これは鬼殺隊の皆が思うこと。
誰かが怪我をしたり、亡くなってしまったら絶対に自分を責める。
私もそう思ってしまうと思う。
でも、例えどんなに凄い一国の王でも、例えどんなに凄い将軍でも、国民全員を誰一人死なせずにいられるなんてできない。
死んでいく人全員が不幸な訳でもない。
さっきぐるぐるしていた頭は冴え渡り、私の中で答えは決まった。
いや、もう決まっていたんだ。
「実弥。それは違うよ。
私が怪我をしたのは私の責任。
それに、子供を産めるような身体でもないから、反対をしてくれたんでしょ?
私のためを想って、後遺症のことを言わないでいてくれた。
私は、幸せな女だよ。
自分を想ってくれている人がいる。
自分を守ろうとしてくれる人がいる。
これは私の宝物。
だからこそ、子供を産みたい。
同じように、愛を注いであげたいの。」
実弥が私に愛をくれたように。
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Blue(プロフ) - ゆりま(タピ犬)さん» マジですか!w泣いてくれたんですか?!ありがとうございます! (2020年3月4日 20時) (レス) id: c8863f1f91 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりま(タピ犬) - あのー、泣かせに来てます?(泣いた人)嫌味ですか?( ˙-˙ )←いい作品すぎてやばかったと言いたかった人 (2020年2月5日 22時) (レス) id: 99e5f8b903 (このIDを非表示/違反報告)
Blue(プロフ) - 花帆さん» コメントありがとうございます!そう言って頂いてとても嬉しいです!検討していきたいと思います! (2019年12月16日 6時) (レス) id: c8863f1f91 (このIDを非表示/違反報告)
花帆 - 完結おめでとうございます!一気に読ませて頂きました! ラスト切なかったですが…(泣)番外編も読めて良かったです!番外編のラストにも感動で涙腺に来ました(つд;*) 個人的に炭治郎でも読んでみたくなりました (2019年12月16日 5時) (レス) id: aa0adc990d (このIDを非表示/違反報告)
Blue(プロフ) - しぃさん» まぁまぁしぃさん落ち着けなぁww私もこの人の作品はオススメなんで見て頂けると幸いですw (2019年12月14日 23時) (レス) id: c8863f1f91 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Blue | 作成日時:2019年11月15日 17時