検索窓
今日:26 hit、昨日:37 hit、合計:232,771 hit

127 ページ37

「零くん」そう呟いた瞬間だった。



「え、えっ…えぇ!?」



金髪の彼が私を所謂お姫様抱っこというものをして走り出したのだ。ジンの横を風の速さですり抜けて。

いきなりの行動にさすがに驚く。私は声を上げることしかできなかった。



「チッ…!!!死ね、バーボン!!」



パァンと銃声が鳴り響く。多分、腹を撃たれた。
だが彼はそんなこと御構い無しに走り続けた。



「止まって…止まってよ」



「…何。まだジンのそばにいたいとか言い出すの?」



違うよ。そんなんじゃないよ。

私は、やっと何かが埋まった気がしたの。それはジンでもうまりきれなかったものなの。


だからそれを埋めてくれた貴方はきっと、私の大切なものなんでしょう?



「貴方が、零っくんが!!

怪我して、血が…私を置いて早く、逃げ______」



「私を置いて逃げて、なんてこと言ったらぶん殴るけどいい?」




私の脳内血管が一本切れた気がした。
なんで、私がぶん殴られないといけないのだ!?!?




「……っ!!


零くんのお腹からは血が出てる!!!早く止血しなきゃまた失神し……て……?」




私、今、



自然と零くんって呼んだ。
そして、また失神して、と言った。

いつの話…?


やっぱり零くんって、私の弟ってこの人なの?




「その様子だと、まだ完璧に戻ってはいないようだな。



…早く車に乗せて姉さんだけでも運ぶから。」




そう話していると、再び銃声が聞こえた。
零くんが顔を歪める。
下の方を見るとどうやら足に撃たれたようだった。



「ねぇ、ねぇ!!零くん、このままじゃ走れなくなっちゃう。本当にいいから、私ジンのところに______」




零くんの目が、とても冷めたものになった。

え、怖い。




「ねぇ姉さん。

俺言ったよね。ぶん殴るって」



「ア、ハイ」




「そんなこと言わないで。

僕から離れていくようなこと二度と言わないで」





あぁ、そうか。


そういえば零くんの友人は全員、亡くなったと聞いたことがある。




「私を置いてって」その言葉を言ったことに酷く後悔した。

128→←126



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (177 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1018人がお気に入り
設定タグ:名探偵コナン , 降谷零 , ジン
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

しのはら(プロフ) - 明里香さん» また後日直します。わざわざありがとうございました。 (2019年6月15日 20時) (レス) id: 7f2dfd99c3 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 137話にも誤字がありました。「息の根を引き取った」ではなく、「息を引き取った」です。 (2019年6月15日 18時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 136話に誤字がありました。「本人に入ってない」ではなく、「本人には言ってない」です。 (2019年6月15日 18時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)
しのはら(プロフ) - ゆーきさん» なぜに笑すきだと言ってもらえるととても嬉しいです!ありがとうございます(^-^) (2019年6月3日 23時) (レス) id: 7f2dfd99c3 (このIDを非表示/違反報告)
しのはら(プロフ) - 明里香さん» 明里香さんたくさんのご指摘ありがとうございます。降谷姉の会えない日々、×されない日々はすぐに直してきますが、囚われの方は更新と一緒に直します。多く間違えててすみません汗 (2019年6月3日 19時) (レス) id: 7f2dfd99c3 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:しのはら | 作成日時:2019年5月25日 7時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。