降谷姉の弟に会えない日々【降谷零】

34＊モブ注意。 ページ36

痛々しい叩かれた音が響く。



「…うるさい口だなァ」



「うっ…」



叫んだ時に叩かれたため、舌を少し切った。

聞く耳持たず、か。



幸い手しか縛られていない。あの男は入ってきた後に鍵をかけた様子はない。
隙をついて男の背後に回り込めれば逃げられる！



「Aちゃん。
君は僕のものだよ。あの観るものを魅了する美しい演技___僕の前だけで見せてほしい。

足の指先から髪の先まで…きっと身体も美しいんだろう？

僕だけに、誰にも見せない…僕だけのもの！！」



"身体"
そのワードに尋常じゃない寒気が襲った。

この男、私に何をする気！？
危ない、危険な言葉で表せない異常さだ！



すると男は私の腕を掴んだ。
そのまま壁に押し付けられ、ギリッとさらに強く掴まれる。

逃げなきゃ、逃げなきゃ！！



「ッ_____________！！

嫌ッ！！！！離して！！私は貴方のものになんか！！！」



「あぁ本当にうるさい口だ…



まずはここから僕のものにしよう」



そっと男の指が唇に当てられる。
漸次、男の顔が近づいてきた。



「嫌だ、嫌だ、嫌だ！！！！！」



「ふふっ」



きっっっもちわるい！！！！
目の前で不敵に笑わないでよ！！！！
気持ち悪い！！！！



「_____________れ、」




"零くん"


心の中で叫んだのは、いるはずのない私のヒーローの名前。

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