降谷姉の弟に会えない日々【降谷零】

33＊モブ注意。 ページ35

「…貴方は！」



「やぁ小泉Aさん！初めまして、ではないよね？」



以前私の出演した映画の、監督。
監督にしてはまだ若く40代前半だった気がする。若くして対策を手にかける天才監督。そんな方がどうして…



「…私のストーカーは、貴方だったんですか」



きっと強く睨む。
私はこの人に強い感情を抱いたことはない。そりゃあ監督として尊敬はしていた。だけどそれまでだった。
好意なんて寄せてると思わなかった。
…気づかずに他の人を巻き込んでしまう私がとても嫌になる。



「なんだいその目は。」



「…え？_____________ッ」



ずんずんと監督がさらに顔を近づける。
そこには謎の威圧があり、息を吐き出すことすら恐怖に思えた。

本物の嫌悪だ。今までのストーカーとは違う。
長年背中に縛りついていた独特の匂い。
離れようとしても追いつかれることの恐怖。



「反抗的な君もいいが、たまには笑って僕を癒してくれてもいいんじゃないか？

僕だけのものに、そう僕の手中に…」



「…い、や…」



「_____________は_？」



「は？」はこっちですけど。



「何を言ってる。何年僕が君を追いかけたと思う？
僕は君だけ、君には僕だけ__」



「違う！！！」



私が縋るものは貴方じゃない！
コナン くんや毛利一家、少年探偵団や阿笠博士、
そして沖矢さんに、零くんがいる！！



「私はッ_______________


貴方のものじゃない！！！」

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