遠い昔の婚姻届【文スト】

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真夜中の使われていない倉庫に、2人の女の影があった。




「……貴女が特務課のエージェントさんですか？」



「はい。異能特務課の辻村です」



美人さん…



「龍頭抗争に関する資料はこの茶封筒の中に詰まってます。
他言は禁止。絶対に守ってください、と上からの伝言です」



「安吾さんですね…。

もちろんです。ありがとうございました」



「いえいえ、それでは」




小さくお辞儀をし、別れた。
良い人だったな…



「……龍頭抗争、死亡者リスト」



封筒を開けると1枚目に死亡者リストが出てきた。



「…多いな」



資料は約40ページに渡って束になっており、ここから私の両親を探すのはまぁまぁ手間がかかりそう。



でも、知れるなら。

どんだけ時間を割いても突き止めてみせる！





__________



「森さん、なぜ今頃あの紙を私に返したんです？」



「おや、君ならその理由はもうわかっていると思うが？」



「理論最適解を望む森さんだからこそ、不思議に思ったんですよ」



電話をしながら会話を楽しむ男達。
その姿は異様であった。



「真実を知らなければずっとあの子は知らないまま。
可哀想だろう？」



「……親バカですか」



「残念ながら本当の親ではないが、Aちゃんは我が子のように大切な子だ。

親は子供に真実を伝えなければならない」




「……そうですか」

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