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「寒くない？」
肩にかけられたジャケットからほんのりと暖かさを感じる。
渡辺さんの方を見ると彼は ん？と首を傾げていた。
「何か言いなよ」
何と言葉にすれば良いか分からない。
でも、今凄く言いたいことがある。
渡辺さんの方に右手を伸ばし彼の手に触れた。
彼の左手に恐る恐る触れたが何も言わないので離そうとすると急にその手を掴まれた。
「何？」
左手に持った花束がカサっと音を立てた。
自分が一瞬驚いたのはわかった。
でも、なんて伝えればいいか分からない
私の中では迷いとか色んな感情がごちゃ混ぜになっている。
意を決して彼の方をもう一度見ると彼と目が合った。
合った瞬間、それが合図かのように自然と距離が近くなった。
このままキスをする
そう思ったがそこに行き着くことはなく。あと少しの距離で止まってしまった。
「ここ外だし
順序があるね」
「……順序」
「Aがあいつじゃなくて俺の事をちゃんと好きになって
後悔しないというならその時キスするよ」
後悔しない
「……いつ、私が深澤さんのこと」
「ふっかの声がして振り向いた時
初めて見る表情したからすぐわかった」
そんなすぐに分かるほど私は顔に出やすいのか。
掴まれたままの手を見て一歩近づくとコツンっと靴同士が当たった。
「…怒らないんですか？」
「どこに怒る要素があんの？」
「だって……私、今酷いこと思ってます」
「え？」
「……もう分からなくて。
どうしようって」
焦っているのだろう
両目から涙が溢れてきて花束にポタッと落ちていく。
…こんな綺麗なお花に涙を落とすのは似合わない
止まれと頭の中で繰り返しながら涙を拭こうとしたら彼が頬に触れてきた。
黙って涙を拭う指が優しい。
「…汚れますよ？」
「溜め込みすぎでしょ。あんた」
渡辺さんはそう言うと私の肩に触れて抱き寄せた。
「…泣く時は1人で泣かない」
「……え？」
「自分が安心できる人の所に行って泣きな」
「…でも」
「でもじゃねぇよ。
真面目」
そんな言い方しなくてもと思い顔を上げると彼は微笑み
少しだけ抱きしめる力を強くした。
「今夜は、俺が傍にいようか」
「…渡辺さんが？」
「キスはしないしその先もしない。
そう約束する
あんたが落ち着くまでそばにいるというのはどう？」
どう？と言われましても
なんと答えればいいのか
私は黙って渡辺さんの胸にコツンっと頭を当てた。
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ハル春(プロフ) - よちよちさん» 返信遅くなってしまいすみません！コメントありがとうございます。らしく書いてあるかいまだに考える時はありますがそう言って下さりとても嬉しいです。ありがとうございます。 (12月10日 19時) (
レス) id: ba10b9968b (このIDを非表示/違反報告)
よちよち(プロフ) - 更新ありがとうございます。続きがいつも気になります😆ここにでてくる翔太いいですね (10月10日 4時) (レス) @page47 id: 4e991b48a4 (このIDを非表示/違反報告)
ハル春(プロフ) - よちよちさん» コメントありがとうございます！返信が遅くなりすみません。イメージに近いものがあると聞いて凄く嬉しく思います。これからも更新頑張っていきますね！ありがとうございます。 (8月31日 10時) (レス) id: ba10b9968b (このIDを非表示/違反報告)
よちよち(プロフ) - 初めてコメントします。この作品面白いです。翔太くんのイメージに近い物があり、読んでて面白いです。続き楽しみにしています。 (7月2日 7時) (レス) @page32 id: 746b6e9ff1 (このIDを非表示/違反報告)
ハル春(プロフ) - 傘さん» コメントありがとうございます！初めての渡辺さんでまだ不安でいっぱいですがかっこよく書けるように頑張ります。これからも、少しずつになると思いますが更新していきますね。 (2023年3月28日 23時) (レス) id: ba10b9968b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ハル春
| 作成日時：2023年3月27日 23時
