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四十二 ページ44

「何をしたか分かってるのか?立花」

「はい。分かってますよ。櫻井さん」


あの後櫻井に呼ばれた立花はそう答えていた。
当たり前だ

あんな大惨事なんだから

幸いにもあの男は腹を切られたのに生きていた。

そして

俺自身

「…ただ、何故あのような力が出たか」

分かっていない

ふと気づいた時には背中にあいつの額があって

ギュッと抱きつかれてて

離すにも離せない感じで


「引き戻された…といったような」


そんな感じ

それを聞いて櫻井は1回だけ溜息をした

何故ため息を?

すると、

「Aさんに感謝しとけ」

「え?」

「あぁやって止めてなければ……お前はここにいないと思っとけ」

「…はい」

あの赤い血が腕から流れてるのを見た時どこからか分からない感情が出たのは確かだ。

好きというよりも


傷つけられた

って



俺もまだまだ分からないことが多いな

頭に手を当てて考えてると目を隠された

「ん?」

分かるのは櫻井が少しだけ前かがみになって自分の目を塞いでいるということ

何故?


「…この仕事、きつければしなくていいぞ」

「…俺を下に見てますか?」


立花はそう言ってゆっくりと櫻井の手に触れて手を離さした

目が合って分かったのは櫻井は本気だということ

いやならしなくていい


嫌な時もあるだが


「あんたの命を聞いてやってるんだろ?
それに、俺はこの仕事好きだ。

勝手に決めつけるのはやめてください」


我ながら立花は低い声が出たのに驚いた

そして、黙って櫻井を見ていると櫻井はフッと笑みを浮かべた


「だろうな。すまなかった」


分かってもらえればいい

それではと言って部屋を出て襖を閉める


今回はまぁ俺が悪いがな


フーと息を吐いて右の方を向くと


「っあ」

右手に包帯をまいているAがいた


話によれば傷は深くないが場所が場所でまさかの肘に近いところ

だから上手く使えないらしい

多分ここに居ることを考えて


「俺に誤りに来た?」

「っ…はい。ごめんなさい」

「ばーか、お前は悪くねぇよ。
…傷見せてみ?」

「え」


驚いているAの腕を引いて右手を見る

一時は大変だろうな


俺はニッと笑って

「おまじないしてやろうか」

「おまじない?」

「そう」

そう言って包帯の上から傷に口付ける

驚いてすぐに腕を引かれたが

「助かった。ありがとうな」

そう言って手を振ってその場を後にした。

あの赤くなった顔


「いいな」


呟いた言葉はすぐに消えた。

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はるか(プロフ) - すごく面白いです。いつもドキドキしてます。更新頑張ってください!! (2017年8月22日 19時) (レス) id: efe91ed229 (このIDを非表示/違反報告)
- あの、すいません、「十一」の話の「立花さん」が、「立場さん」になっていると思います。間違ってたらすいません (2017年7月22日 12時) (レス) id: c9821ec644 (このIDを非表示/違反報告)
青りんご(プロフ) - 世界観がすごく好きです。毎回更新されるたび嬉しくてすぐチェックしてしまいます^ ^応援しています! (2017年7月18日 15時) (レス) id: 591376f718 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - すっごくすっごく面白くて、更新楽しみにしてます!これからも頑張って下さい! (2017年7月9日 0時) (レス) id: fee5a8ae7a (このIDを非表示/違反報告)
とまと(プロフ) - いい、、ですね、、、これからも応援してます!(゜▼゜*) (2017年7月4日 16時) (レス) id: 503188b34f (このIDを非表示/違反報告)

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作成日時:2017年6月9日 13時

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