二十七 ページ29
あの夜の光景が浮かぶ
あの人、切られてしまう
何か、何かないの
辺りを見回してもこれといっていいものがない
ふと目の前に刺さっている男の刀を抜こうとしたが上手く抜けない
「櫻井さん！殺すのだけは」
「A…これがこの世の生き方なんだよ。」
男は黙ってその刀を見ていた
「た、確かに彼は自分から勝負を仕掛けました！
ですか、彼はまだここに来て浅いです。
見逃してください」
私という立場が言えることではないというのはわかってた
それでも無駄な争いはさせたくない
これはあまりにも優しすぎますか？
言ったあと櫻井さんの背中を見つめる
「…優しすぎるのは時には毒だよ」
怖いと言うほど透き通った声が耳に届いた
次の瞬間櫻井さんは短刀を男の首と突き刺そうとしていた
「っ、待って」
私は咄嗟に走って
櫻井さんの背中に抱きついていた
抱きついた瞬間驚いていたのはわかった
このまま自分が殺されてもいい何故か
この人が壊れそうで怖い
「お願いします…櫻井さん」
「………少年、今日は命拾いしたな。
やる気が失せた。次あった時は…覚悟していろ」
「…はい」
男性はそう言うと静かに立ち上がり歩いていった
周りには数名の男がまだいる
けど私は櫻井さんから離れようとしなかった
「…Aさーん」
「……もう、あのような事はしないでください」
そう言うと櫻井さんはビクッとした
そして少し黙った後頭を掻きながら
「分かった。…歩くよ」
そういい私の左手を掴んでまた歩き出した
この人がここまでする理由が分からない
この人が何故刀の扱いが上手くなったのかも
私はまだ
あの屋敷のことを何もわかっていない
私は腕を引かれても屋敷を出ていった
・
・
「この屋敷って誰が作ったんですか？」
帰ってきて早々私は立花さんに聞いていた
私に着替えの着物を持ってきた立花さんはキョトンとしていたが夜になってる窓の外を見て昔話のように話し出した
「…俺も分かってはいないんだが櫻井さんの祖父が作ったとか」
「え？祖父？？」
「あぁ、櫻井さんは代々どこかの武士の下で力をふるう家系のでらしくて幼い頃から武道に力を入れていたらしい。だからか刀の扱いは絶品物で見るもの全て美しいと思ったとか。」
初耳だな
そんなことがあったのか
だがそこで立花さんが少しだけら声を悲しくさせた
「だが、ある日の事件があってあぁなったらしいな。」
ある日の事件？
「紅咲火災」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 682人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
はるか(プロフ) - すごく面白いです。いつもドキドキしてます。更新頑張ってください！！ (2017年8月22日 19時) (
レス) id: efe91ed229 (このIDを非表示/違反報告)
銀 - あの、すいません、「十一」の話の「立花さん」が、「立場さん」になっていると思います。間違ってたらすいません (2017年7月22日 12時) (レス) id: c9821ec644 (このIDを非表示/違反報告)
青りんご(プロフ) - 世界観がすごく好きです。毎回更新されるたび嬉しくてすぐチェックしてしまいます^ ^応援しています！ (2017年7月18日 15時) (レス) id: 591376f718 (このIDを非表示/違反報告)
聖(プロフ) - すっごくすっごく面白くて、更新楽しみにしてます！これからも頑張って下さい！ (2017年7月9日 0時) (レス) id: fee5a8ae7a (このIDを非表示/違反報告)
とまと(プロフ) - いい、、ですね、、、これからも応援してます！(゜▼゜＊） (2017年7月4日 16時) (レス) id: 503188b34f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作成日時：2017年6月9日 13時
