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二十五 ページ27

「倉本すまぬが茶を用意してくれんか?」

「かしこまりました」

主人に言われお茶の用意をしに行く

熱いお茶を作り少しの菓子を付けて

静かに廊下を歩き、襖の前になると見えない死角になる所で話を聞いた


「ご主人。何故私の屋敷の男を連れて来いと?」

「あぁ、それか?私は男の花魁が好きでな。
どのようなものかと思っていたのだが………櫻井さん、あいつは男じゃないですな?」



「っ、」


息を飲んだ

バレてた

いや、まだなのか?

その時、部屋の後ろの方からカチッと音が聞こえた

この音は


「…刀」

小さな声が私から漏れた


多分、櫻井さんは


「…だとしたらどうするのですか?」

「簡単な話さ。櫻井さん。
あんたを生かして倉本を殺りあんたはここに住み込む
もしくは…二人共死」


私は襖を開けた

主人は驚いていたが櫻井さんは私を黙って見ていた


「…お茶を用意してきました。菓子も付けたのですが宜しかったですか?」

「あ、あぁ、構わないさ。倉本いつもすまないの」

「いえ、主人の名であれば俺は動きますよ」


平然を装い

静かな雰囲気で話す


お茶二人の前においていき菓子をおこうとした時櫻井さんが私の顎に触れてきた

「?な、何か」

「いや、お前のご主人がお前を女みたいだ言ってね。…確かに女に近い顔をした男だな」

「…櫻井さん、菓子がおけません」

「菓子はいいさ。…本当に合縁奇縁とは妙なものだな」

合縁奇縁って


男女の仲って言うやつではないのか

そうなると


私は意味がわかり急いで離れようとしたが


「おい!まて合縁奇縁とはどういう事だ」

主人が今にも刀を持ちそうなほどの勢いで聞いてきた

櫻井さんはそれを聞いてはははっと笑いだし私を抱き寄せていた


「なに、簡単な話しさ。
倉本は俺と男女の仲だ。と言っても妻とかではないがな。…返してもらうぞこの子を」


低い声が部屋に響いた

その途端後ろの方から刀を持った家来が何人も入ってきて私たちに切りつけようとした


私はとっさに短刀を手に取り持ち手の方で刀を弾いた

「櫻井さん!逃げて下さい」

「お前も逃げるぞ」

「私はここを抑えてから来ます。
屋敷の上である貴方が居なくなればあそこは誰が守るんですか!行ってください」

刀を構え櫻井さんの背中を守る

だがその時ふと舌打ちのようなものが聞こえた


え、何故舌打ち

「助けに来たのになんでお前は助けるんだよ」



そう言って櫻井さんは私の腕を掴んでいた。

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はるか(プロフ) - すごく面白いです。いつもドキドキしてます。更新頑張ってください!! (2017年8月22日 19時) (レス) id: efe91ed229 (このIDを非表示/違反報告)
- あの、すいません、「十一」の話の「立花さん」が、「立場さん」になっていると思います。間違ってたらすいません (2017年7月22日 12時) (レス) id: c9821ec644 (このIDを非表示/違反報告)
青りんご(プロフ) - 世界観がすごく好きです。毎回更新されるたび嬉しくてすぐチェックしてしまいます^ ^応援しています! (2017年7月18日 15時) (レス) id: 591376f718 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - すっごくすっごく面白くて、更新楽しみにしてます!これからも頑張って下さい! (2017年7月9日 0時) (レス) id: fee5a8ae7a (このIDを非表示/違反報告)
とまと(プロフ) - いい、、ですね、、、これからも応援してます!(゜▼゜*) (2017年7月4日 16時) (レス) id: 503188b34f (このIDを非表示/違反報告)

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作成日時:2017年6月9日 13時

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