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二十一 ページ23

「木村さん?」


後ろからギュッと強くなる手に驚いて恐る恐る後ろを見ながら木村さんに言った

木村さんは私の背中にコツンとおでこを当てていた

「…最近、他の人たちと居るから俺の時間」

「?…木村さん、私はいつでも大丈夫ですよ?
話しかけてきても」

そう言うと木村さんはムクっと顔を上げた

あ、私と目が合った


二人共見つめあったまま何も言わない

これは、何か言った方が良いのだろうか



「そう言われると、俺独占欲出すよ?」

「独占…欲?」

「そう。誰にも触れさせたくないからずっと俺が触れたいって…傍においときたいって」


見つめられたままそう言われたため私は何も言えなかった

抱きしめている腕の力がもっと強くなったような感じがした。

すると木村さんはずっと私の目を見ていたがクスッと笑った


「嘘。…もう少し危機感を覚えなさい。A」

「え、ぁ、はい」


呼び捨てだ


さんとか付いてなかった


木村さんはそういった後すぐに私から離れた

この人の考えていることが私はわからない


立ち上がり部屋から出ようとする木村さんを見て私は咄嗟に木村さんの右手の小指を掴んでいた


「っ!?え?!」

「ま、待って下さい」


どうしよう

咄嗟だったから何を言うか決めてない

「き、木村さんは今晩何をお食べになりたいですか!?」

「……こ、今晩?」


待て、今晩お客の相手をしなくてはならないのに何を私は

「ご、ごめんなさい!今朝です!今です!」

全面撤回して今朝の朝食へ

でも木村さんあまり食べない

ど、どうしよう


すると木村さんは焦ってる私を見てクスッと笑った後明るく答えた


「そうだなぁー。Aの作ったお味噌汁と炊きたてご飯!そして、煮付け!それがあれば俺は十分かなぁ。」

「えっ…あ、はい!」

初めて聞いた


明るい声だった


「それとね。俺お酒が大好きだから夜は少しでいいかな。あ、でもAの作る料理は特別。
なんか、お酒飲んでても食べたくなるんだよね。
だから、今晩…お屋敷に持ってきてよ」


笑顔で明るくまるで子供が喜ぶかのように

純粋な笑顔だった


それを見て私は驚いていたがどこかほわぁと心が暖かくなり

「ふふっ、はい。では、今晩木村さんのところに持っていきますね」

それが嬉しくて名前呼びだけになってるのなんて気にもしなかった




それを見て木村さんもどこか嬉しそうだった。

二十二→←二十



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はるか(プロフ) - すごく面白いです。いつもドキドキしてます。更新頑張ってください!! (2017年8月22日 19時) (レス) id: efe91ed229 (このIDを非表示/違反報告)
- あの、すいません、「十一」の話の「立花さん」が、「立場さん」になっていると思います。間違ってたらすいません (2017年7月22日 12時) (レス) id: c9821ec644 (このIDを非表示/違反報告)
青りんご(プロフ) - 世界観がすごく好きです。毎回更新されるたび嬉しくてすぐチェックしてしまいます^ ^応援しています! (2017年7月18日 15時) (レス) id: 591376f718 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - すっごくすっごく面白くて、更新楽しみにしてます!これからも頑張って下さい! (2017年7月9日 0時) (レス) id: fee5a8ae7a (このIDを非表示/違反報告)
とまと(プロフ) - いい、、ですね、、、これからも応援してます!(゜▼゜*) (2017年7月4日 16時) (レス) id: 503188b34f (このIDを非表示/違反報告)

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作成日時:2017年6月9日 13時

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