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十一 ページ12

「バレたのなら仕方がないね」


次の日の朝櫻井さんに呼ばれた

わかってる

昨晩のことだと

朝早く明朝に起きたため私と櫻井さんしか起きていない


この人はいつ寝てるのだろうか


目の前に座っている櫻井さんは着物の袖に手を入れて私にあるものを渡してきた


「…これは」

「……裏稼業の印だよ。ここにいる人はみんな持ってるこれを持っている人はここで悪者を取り締まることができる」

「立花さんのあの記憶力は尋常じゃないと思います」

「あれは、生まれ持った才能だよ。ここに来た時からあの力はある」


立花さんは例外なのかもしれない

けど、ほとんどの人はここに来て色々と身につけたのだと思う


手を拳にして私は聞いていた


もしかしてとは言わない


私はここで


櫻井さんは黙っている私の肩に触れて優しい口調で答えた


「君もここで働かないか?裏稼業で」

「…まだ、何もありません。私は」

「夜の相手とかはまずは練習だ。だけど、誰かに抱かられることを頭に置いとかないといけない。

そのためにはまずは師を付けなくてはならない。

誰でもいい、自分と相性のいい人だ。

俺でもいいしほかの人でもいい。考えといてよ。」



いつまでですか?と言いたかったけど


多分早めにだろう


ここの屋敷にはたくさんの男性がいる


その中から選べとなると大変だ


そして、私は何かを捨てなくてはならなくなる


誰にも言えない…事だよね


「……誰にも言えないんです。木村さんにも立花さんにも…」

「…Aさん」

「はい」


呼ばれて顔を上げると肩に置いていた手が急に私の肩をトンッと押し床に倒れる形となった

そして、櫻井さんの手が頬に触れた

目が…離せられない


「…俺が相手してあげようか?」

「………師、としてですか?」

「ほかの奴らはこの時間は起きない。その間に…俺が一から教えてあげる」

「……他の方法を考えてみます。
体を使わない方法を」


そう言って櫻井さんの肩を押して起き上がると櫻井さんは私をチラッと見たあとにクスクスと笑いながら


「俺、振られた?」

「振られてないと思いますよ。櫻井さん」

「…何かあったら聞いてよ。教えてあげるから」

「はい、ありがとうございます」


正座をして頭を下げたあと私はその部屋を後にした









「…一番はじめにあの子の体に触れるのは誰かな」


一人となった部屋で櫻井さんの静かな声が響いた

十二→←十



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はるか(プロフ) - すごく面白いです。いつもドキドキしてます。更新頑張ってください!! (2017年8月22日 19時) (レス) id: efe91ed229 (このIDを非表示/違反報告)
- あの、すいません、「十一」の話の「立花さん」が、「立場さん」になっていると思います。間違ってたらすいません (2017年7月22日 12時) (レス) id: c9821ec644 (このIDを非表示/違反報告)
青りんご(プロフ) - 世界観がすごく好きです。毎回更新されるたび嬉しくてすぐチェックしてしまいます^ ^応援しています! (2017年7月18日 15時) (レス) id: 591376f718 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - すっごくすっごく面白くて、更新楽しみにしてます!これからも頑張って下さい! (2017年7月9日 0時) (レス) id: fee5a8ae7a (このIDを非表示/違反報告)
とまと(プロフ) - いい、、ですね、、、これからも応援してます!(゜▼゜*) (2017年7月4日 16時) (レス) id: 503188b34f (このIDを非表示/違反報告)

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作成日時:2017年6月9日 13時

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