2人で "Crown Rain" (ページ10)

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侵入者ページ10

「その賭け、ちょっと待った！」

「侵入者っと。」

「うわっ！？」

ﾊﾞﾀｯ

　…振り向く前に終わったみたい。

　何故かレンの声が聞こえるが、気のせいではない事は確かだ。

「つっかまえた！」

　振り返ってみると、ハヤトに押さえ付けられたレンがバタバタしていた。

『…何やってんだよ。』

　何故此処に居るのかが分からないが、それより呆れてしまう。

「何コイツ、ユウキの知り合いなわけ？」

「友達だ！」

　…は？友達？

『レン、頭でも打った？友達でも何でもないだろ。』

　容赦なく言うと、レンは首を横に振り俺を見て来た。

「いや、友達だ！」

『いや、朝初めて話した…。』

「帰りに寄る約束もしていた。」

『レンが勝手に着いて来ようとしただけだろ。俺が何をしようとも、お前には関係無い。』

　床に押さえ付けられているレンを睨んで言い合いをしていると、急に肩を掴まれた。

「落ち着け、ユウキ。」

　ジュンに言われて我に帰る。

『…悪かった。』

　謝られる物の、こんなに言い合ったのは初めてで、かなり戸惑ってしまう。

『取り敢えず、賭けはする。いいな！』

　捨て台詞みたいになったが、ハヤトから伊達メガネを取り返してそのまま外に出る。

　…レンを置いて来たが…、…まぁ、あいつなら大丈夫だろう。

　取り敢えず真っ直ぐ帰る。

　…帰ったら本をひたすら読もう。

　本を抱えてそのまま帰る。

　…アイドル…か。