悪戯が1回 ページ3
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「のう童。Aを見なかったかの?」
「いえ…僕も今三宅を探している所で」
「彼女は直ぐにふわふわとどこかに飛んでゆくからのう…」
ポートマフィア幹部、尾崎紅葉と遊撃隊隊長の芥川龍之介。
エントランスホールで出会った2人が探すのは定期的に姿を消す少女であった。
目を離せばすぐに消える。急に騒ぎ出す。悪戯を仕掛ける。まるで幼稚園児の様な少女こそ、幹部尾崎紅葉の補佐、三宅Aである。彼女は自称遊撃隊副隊長だよ☆と名乗りをあげたせいで所々混乱が生まれているがもう一度言おう、彼女は幹部補佐である。
2人がもう一度別れて、Aを捜索しようとしたその時上から声が降ってきた。
『ただいま〜紅葉姐さん!あ!やつがれ先輩もいる!』
「おお、A。探しておったぞ」
2人が見上げると、2階の方から片腕に袋いっぱいに詰まったせんべいを抱えて手を振る本人がいた。なんとも呑気そうに。彼女が軽い動きで手すりを乗越え、音もなく2人の元に着地した。
『佐藤おじいちゃんにせんべい焼いてもらう約束してて、いっぱい焼いてもらってたんだ!美味しいよ、食べる?』
「それならば1枚貰おうかのう」
『食べて食べて!やつがれ先輩はどう?』
「…どちらでも構わん」
『じゃ食べるって事で』
紅葉にはせんべいを手渡し、芥川には口に突っこんだ。芥川が何か言っていたが華麗にスルーしてAが続けた。
『あ、そうだAが紅葉姐さんに呼ばれた理由は?』
「そうじゃった。
何も、Aがそこの童と任務に行け、と鴎外殿に言われてのう」
「は」
『え、やつがれ先輩と!?ほんとなの姐さん!』
芥川が驚いたように目を開く中、Aがきらきらと嬉しそうに紅葉にぐいっと近寄った。
「詳細に関しては私は知らん。後は任せたぞ」
「…承知。行くぞ三宅」
『はーい!またね紅葉姐さん!』
Aは愛想のいい笑顔を浮かべて手を振ってエンドレスホールを出ていった。一気に静かになったエントランスホールで紅葉は、2人が出ていった扉を見たまま薄く笑みを浮かべていた。
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君死勿 - 樋口「芥川先輩〜!?!?」←ってなってそうですね… (8月30日 13時) (レス) id: f169115c31 (このIDを非表示/違反報告)
和歌 - 素敵な作品ありがとうございます! (2022年8月17日 0時) (レス) @page1 id: 5bd59d973a (このIDを非表示/違反報告)
彩(プロフ) - いえ!頑張って下さい! (2022年7月29日 12時) (レス) id: cf85aeee8c (このIDを非表示/違反報告)
しろみぃ(プロフ) - 彩さん» わーー!!ありがとうございます!!!!更新頑張らせて頂きます…!! (2022年7月29日 12時) (レス) id: 02d7799d85 (このIDを非表示/違反報告)
彩(プロフ) - この作品大好きです!これからも更新頑張って下さい!私の心の癒しです! (2022年7月29日 9時) (レス) @page11 id: cf85aeee8c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しろみぃ* | 作成日時:2022年7月22日 22時