甘すぎる同居人【不死川実弥】

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不死川side








Aに見送られ家を出れば口元が緩くなった




高校の時から少し大人びている印象があった彼女だが
バスでの寝顔とかクレープの食べ方が下手でよく口の端にクリームつけていたり
こういう姿を俺にしか見せてないと思うと嬉しくて構いたくて仕方なかった




成人式なんて俺好みの振袖着てきて
お酒で顔を赤くしてる姿を見て好きだなァと思った




まさか同居できるとは思っていなかったが俺にとっては好都合で
人目も気にせずAにくっつけて満更でもなく









彼女のことを考えていたらあっという間に会社の前で




「不死川さんおはようございます」

「おはようございます」



高卒で就職した俺はまだまだ下っ端だが
そこそこいい成績を残していた



「今日もド派手に声掛けられてるな！！」


席に着けば同期の宇髄が話しかけてくるが無視する





そのまま昼まで仕事をして飯にするかと伸びをすれば



「受付の子達にご飯誘われてるけど不死川もってさ」

「すまねェが行かねェ、お礼だけ言っておいてほしい」

「ちぇーまたかよ」






高校生で学んだ
いい顔しすぎて期待させすぎるとよくない


別に今は女に困ってないしAいるし

そう言えば今日Aも早く帰れるって言ってたなァ




実弥今日駅前のケーキ買って帰る


AAも行きたい!!




すぐに既読がついたことに少し口角が上がる




実弥わかった、大学迎えに行くわァ


A大学前のカフェいるね





早く帰ろうと思い気合いを入れればまた鳴った通知音



見てみれば、“ お仕事がんばれ ”という文字と
“ A応援してる “ と書かれた犬のスタンプ


この犬のスタンプも俺が使ったのを見てかわいいと買っていた








“ さねみんわかった ” という犬がグーっとしてるスタンプを返しておいた


さねみんはAが勝手に登録した名前で
俺の返事がそっけないのが嫌だからと言っていた




「おい、不死川ニヤけてるぞ」

昼が終わった宇髄に肩を叩かれ



「もしかしてAちゃんか」

「悪いかよォ」

「おーおーお熱いねぇ」


早く彼女にしろよーと自分のデスクに戻って行った







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