にひゃくよんじゅうに！！ ページ45
*M-side
三橋「A! おい、通しやがれ!!」
呼び出された工場の前に開久の奴等が門番していた。
中に入ろうとする俺の前に邪魔をしてくる。
すぐに殴って蹴って、
ボコボコにしてやろうと思った俺を
今一番聞きたくねぇ男の声が止めた。
相良「止めとけよ三橋」
三橋「……相良ァ!!」
背後に悠々と立っていた相良は、
怒りで自我も失いつつ俺を楽しそうに嗤ってる。
相良「俺を殴りてぇなら殴れよ。
その瞬間、中にいるあの女は無事ではいられねェけど」
三橋「……クソ野郎」
相良「工場って便利だよな。
凶器になり得るもんばっかり置いてやがるぜ」
三橋「俺をボコりてぇんだろ?
人質つかって、ダセェなお前」
相良「えぇそんなこと言っていいのかよォ?」
三橋「テメェの用件は飲んでやる。
だから、アイツは解放しろ」
相良「随分上からだねェ。千葉最強さんは」
突然、なんの前触れもなく頭が揺れた。
続けて頭がかち割れそうになる。
目の前が一瞬でボヤけた。
「三橋さんｯ! 三橋さんｯｯ!!」
すぐそこで、Aがいる。
さっさと安心させてやりてぇのに。
あのバカは泣き虫だから、
慰めてやらねぇと駄目なんだ。
三橋「っぐ、…ｯｯ!」
相良「ヒャハッ、気ぃ抜いてんなよバーカ」
グァン、グァン、と金属なのかよく分からない音と
何度も頭痛が全身の痛覚を刺激してくる。
いったいどこをどんな風に殴られてるのまったく分からない。
かなり固いやつで殴られてるのは確かだ。
三橋「……相良ぁ」
相良「んだよ」
離れた位置から殴られ続ける俺を眺めていた相良が
愉快そうに返事をする。
三橋「お前……ッ、Aに……、…気ぃあったんだろ………」
相良「……」
三橋「なんで……、………なんで好きな女に……ッ………こんなこと……出来んだよ」
相良「うるせぇ」
目眩で立てなくなった俺の目の前に歩いてきた。
瞬間、顔を蹴られて視界がグルグル回ってく。
……やべ、目ェ開けてらんねぇぞ。
相良「アイツに気がある? 好きな女?
はっ、くっだらね」
三橋「……、ゲホッ…ゲホ………」
相良「まぁあの女も可哀想にな。
三橋の女ってだけでこんな目に合わされてよォ」
暗くなっていく視界、
相良は歪んだ笑みを張り付けている。
───遠くで泣きそうなアイツの声に呼ばれた気がした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1012人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
nasiremon - 伊藤兄がかっこよすぎる！ 涙腺妨害ですよ…同感できるところが多い…うぅぅぅ… (2020年5月13日 1時) (
レス) id: fa0cba8ed9 (このIDを非表示/違反報告)
紫雨(プロフ) - 牡丹杏。さん» ぜひぜひ続きも見てください(*´∇｀*) (2018年12月27日 15時) (レス) id: b7016d0be3 (このIDを非表示/違反報告)
牡丹杏。(プロフ) - えーここまでで涙ボロボロなのに、続編見たらどうなるの。私の涙腺w 楽しみにしてまーす (2018年12月27日 15時) (レス) id: 48235b53b0 (このIDを非表示/違反報告)
紫雨(プロフ) - ライアーさん» コメントありがとうございます！とても励みになります！これからもキュンキュンしてもらえるようらがんばります！！ (2018年12月26日 14時) (レス) id: b7016d0be3 (このIDを非表示/違反報告)
ライアー - 続編すっごく楽しみにしてます。頑張ってください！応援してます！！！ (2018年12月26日 13時) (レス) id: ca359b9f59 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：神室紫雨
| 作成日時：2018年12月16日 17時
