にひゃくさんじゅう！！ ページ34
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翌日。
お兄ちゃんは朝、病院に行って
お医者さんに診てもらうことになり、
今日は一人で登校する。
たぶん昼前には松葉杖もなくなって来れるだろう。
三橋「あ、Aさん」
「三橋さん!」
昇降口のところで鞄を抱き締めていた
三橋さんは私を呼ぶと小股で駆け寄ってくる。
……可愛い。
「どうしました?」
三橋「伊藤クンはお休みかい?」
「お兄ちゃんなら松葉杖外すために病院寄ってから来ますよ」
三橋「そうですか……あ、勉強を教えて下さい!!」
「え……私がですか?」
思わず聞き返すと、必死にコクコク頷く。
三年生の勉強なんて分からないけどなぁ……と
思ったその時、
ふと三橋さんの袖から伸びる手首に
見慣れない擦り傷があるのを見つけた。
「……三橋さん、それ、どうしたんですか?」
三橋「え? あ、あー……これはその、猫に引っ掛かれて」
「いや引っ掻き傷なんかじゃないですよね。
なんで嘘つくんですか?」
どちらかと言うと擦りむいたような傷跡。
それもコンクリートだ。
もう一度三橋さんの目を見つめる。
顔に怪我はないみたいだけど……。
「……三橋さん。ツッパリ、やめたんですよね」
三橋「あ、当たり前じゃないか」
「……一人で危ないことしてませんよね?」
三橋「昨日の夜は家で勉強してたｯ」
「聞いてもないことを答えられてもますます怪しいですけど」
三橋さんはオドオドと目を泳がせながら
「か、顔が近いですよ…」と呟く。
そんなこと気にしてられない。
逃がすかとさらに詰め寄った、その時だった。
佐川「朝からアツアツっすね!!お二人!!」
「へ? ………あっ」
佐川さんの声で我に帰ったときには
時すでに遅し。
昇降口にいる人たちがみんな私たちのことを
遠巻きに見守っていた。
前を向けば、ドアップに三橋さんの眼鏡。
これ、はたから見たら私がキス迫ってるみたいじゃ……?!
「っうわぁぁぁ!!」
佐川「うわぁ三橋さんｯｯ?!」
勢いで思わず三橋さんの顔面を
鞄でぶん殴ってしまった。
靴箱にガァン!と頭をぶつけた三橋さんは
眼鏡がずれて、白目を剥いている。
「わ、わ、わぁもうごめんなさぃぃぃｯｯ!!」
どうすることも出来ぬまま、
私は熱くなった頬を押さえて階段を
駆け足で登っていった。
.
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三橋「……クソ、あのバカ女。
あー頭いてぇ………」
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nasiremon - 伊藤兄がかっこよすぎる！ 涙腺妨害ですよ…同感できるところが多い…うぅぅぅ… (2020年5月13日 1時) (
レス) id: fa0cba8ed9 (このIDを非表示/違反報告)
紫雨(プロフ) - 牡丹杏。さん» ぜひぜひ続きも見てください(*´∇｀*) (2018年12月27日 15時) (レス) id: b7016d0be3 (このIDを非表示/違反報告)
牡丹杏。(プロフ) - えーここまでで涙ボロボロなのに、続編見たらどうなるの。私の涙腺w 楽しみにしてまーす (2018年12月27日 15時) (レス) id: 48235b53b0 (このIDを非表示/違反報告)
紫雨(プロフ) - ライアーさん» コメントありがとうございます！とても励みになります！これからもキュンキュンしてもらえるようらがんばります！！ (2018年12月26日 14時) (レス) id: b7016d0be3 (このIDを非表示/違反報告)
ライアー - 続編すっごく楽しみにしてます。頑張ってください！応援してます！！！ (2018年12月26日 13時) (レス) id: ca359b9f59 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：神室紫雨
| 作成日時：2018年12月16日 17時
