伊藤の妹は三橋にゾッコン。Part5【今日から俺は!!】

にひゃくにじゅう！！ ページ24

*M-side








「くかー……」

三橋「……一瞬で寝やがった」






夜。


同じベッドの上で俺のスウェットを着て眠るA。




警戒心の「け」の字もない。






三橋「……」




柔らかいほっぺに触れてみると、
くすぐったそうにもにゃもにゃしたが

すぐにまた気持ち良さそうに寝息を立てる。



男と寝てんのに、安心しきった顔しやがって。


俺とだから安心してるんであろう優越感と、
男としての屈辱が入り交じって複雑だ。





三橋「………クソ。ほんと色気ねぇな、お前」





壁がわに眠るAに背を向けるように
寝返りを打って、無理矢理目を瞑る。


考えたら負けだ。

俺がこんなチビで貧乳で生意気な女に
振り回されて溜まるかよ。




俺の寝返りで、ギシ、とベッドが軋む。

それに反応したかのように、
Aもまた寝返りを打った。





「んー………むにゃむにゃ……」

三橋「………」





耐えろ耐えろ耐えろ耐えろ。


耐えろ俺。



見なきゃいいんだ。

そう、俺の隣に寝てるのはゴリラだ。

ゴリラが隣で寝ている。


………よし、ゴリラが隣にいると思ったら
だいぶ落ち着い──




「……ん、…打ち首にしてやるぅ………」


三橋「な……ッ!!」





恐ろしい寝言をふにゃふにゃ喋ったAが

急に俺の背中に抱きついてきて。



細くて小さい腕が脇の下に入ってきた。




俺はベッドから落ちるギリギリにいるので
これ以上避けたら落ちてしまう。





三橋「お、ぃ、ばか…! ふざけんなよ…」

「くー……すぴー……」

三橋「……ッくそ」






俺は一度起き上がって、

Aを跨ぎ、

スペースの空いた壁際の方に入る。




……なぜこの俺様がこんなガキ女に
気を使わねばならんのじゃ。









向こうを向いたままのA。



ベッドから落ちないように腰に手を回して
引き寄せてやる。





なにかまた寝言を言っていたが、
熟睡してるようで起きることもなかった。









三橋「……お前さぁ。
どんだけ我慢してると思ってんだよ……」


「……すぅ…すぅ…」


三橋「……俺様が手ェ出さないのが
当たり前と思うなよ。

バーカ」









ポジション的に落ち着いてきて、

ようやく睡魔がやってくる。



もう明け方前の時間だ。









くそ……起きたら絶対文句言ってやる。









.









前話、三橋くん制服で病院来てましたよね。
お風呂いれちゃったよ。
見逃してください(笑)

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