伊藤の妹たちの番外編 part3【今日から俺は！！】

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結局さっきの店では何も買わず、
色々ぐるぐるしてたら三橋さんたちを見つけて。


寄ってみたらまさかの紅野さんまでもがいる。




「わぁお久しぶりですね」

紅野「元気してた?」

三橋「おいなに普通に会話してンだよチビ」

「お一人で買い物ですか?」

紅野「んーん、俺も塾のやつらと来ててさ。
興味ない店見てたから一人でウロウロしてたの」

三橋「おい!!」




懐かしの紅野さんは私の頭をポンポンしながら
「私服だとやっぱ雰囲気変わるね〜」と笑う。


その手を素早く三橋さんが叩いた。


猫パンチみたい。





紅野「うわーちょっと触っただけでそんな警戒する?」

三橋「お前が危ないからだろ」

紅野「酷いなぁたい焼きもあげたのに」

「えっ、たい焼き?!」

紅野「あれ、Aちゃんも欲しかった?
じゃぁ買ってあげようか??」

「良いんですか!!」





いえーい奢りだー、なんて付いていく私の腕を
三橋さんが無言で引っ張って止める。



なんなんだ、と振り返った瞬間
口のなかに突っ込まれるたい焼き。




「あっつ!!!」

三橋「よかったなたい焼きあって。
そういうわけだ、紅野」

紅野「束縛激しいね。
これはAちゃんも苦労するわ」

三橋「あ"ぁん?!
俺様が苦労してんだろうがｯｯ!!」

紅野「はいはい。
それじゃぁ俺はそろそろ連れのところに戻るよ。
それじゃぁ、Aちゃん。よいお年を」

「あ、はい。たい焼きご馳走さまです」







紅野さんはにっこりと柔らかく笑って
人混みの中へと消えていく。


見計らったようなタイミングで、
遠巻きに見ていた理子さんと京子さんが
そっと近づいてきた。





赤坂「今の誰?」

「えーと……まぁなんやかんや仲良くなった人です」

三橋「良くねぇ。お前が警戒心ないだけだ」

京子「伊藤さん、すっごい険しい顔してますけど……」

伊藤「……色々耐えてたの」

「って、たい焼きいっぱい入ってますよ。
三橋さん、まさか独り占めするつもりですか?」

三橋「うるせぇ俺様が貰ったものじゃ」

「なら、京子さんたちにもあげてくださいよ。
私だけ食べてるのはちょっと」

伊藤「いいよA。三橋はチョロ橋だから」

「え、なにそれ」




聞いた瞬間、三橋さんの拳がお兄ちゃんの
みぞおちあたりに勢いよく入った。




「なにしてんですか」

三橋「お黙りドチビ!」

赤坂「ていうかチョロ橋と似たキャラクターいたわよね」

早川「それ言っちゃだめです」

伊藤「誰か俺の心配して……」

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