、3 ページ37
.
「……」
伊藤「……っ」
無言の時間が、続く。
コチコチと秒針の音がやけに耳の近いところで
聞こえる感覚だった。
お兄ちゃんの手のひらから熱が移る。
ポカポカした気持ち。
でもじっとしてるのもなんだか億劫で。
「お兄ちゃん、大丈夫?」
伊藤「うん…なんとか」
「他になにかしてほしいことは??」
伊藤「っそれは聞かないで」
「え」
じゃぁ他になんて聞けば良いんだろう。
ぎゅうっと私の手を握る手が強くなる。
チラリと見た時計は10分が経過していた。
だいぶ効果も収まったころかな。
伊藤「……ふぅ。だいぶ落ち着いてきたかも」
「そんな辛いの??」
伊藤「うん。結構ね」
「ごめんね……私がもっと早く処分してれば……」
伊藤「大丈夫」
こうしてしっかり顔を見ると、
お兄ちゃんってイケメンなんだよなぁ。
前の学校ではなぜか女の子に
モテなかったみたいだけど。
私がもし妹じゃなくて同級生だったら、
とか考えてみる。
伊藤「A」
「?」
伊藤「“お兄ちゃん大好き”って言って?」
「またそれ?」
伊藤「お願い」
昔から、たびたびお願いされる言葉。
よく分からないけど、お兄ちゃんの大好きな言葉みたいで。
「お兄ちゃん、大好きだよ」
伊藤「ん……ありがと」
ふわっと抱き寄せられて、優しく包まれる。
それはいつも通りの“兄”と同じで。
よかった。
香水の効果が切れてきたのかな。
そう思った瞬間、お兄ちゃんの制服から
キツいフローラルの匂いが鼻を通して脳にぶちこまれ。
──全身の血管が大きく波打った。
「ゃ、ば……」
伊藤「A?」
「ごめん……お兄ちゃんの制服についた香水の匂い、嗅いだかも……」
伊藤「ええぇっ?!」
「はわわ……どうしよ……」
伊藤「え、ちょ、ど、A、どうしてほしい?!」
「そんなこと聞かないでバカｯ!!」
そのあと私たちはお互いにマスクをつけて、教室を出た。
その日の夜に制服はクリーニングへ。
.
リクエストありがとうございました!
なんというか……ごめんなさい(笑)
結構難しかったですね笑笑
途中の伊藤くんが妹ちゃんにお願いした台詞は
番外編part2？かな？のどこかを読んでもらえると
詳しく意味がわかると思います！
ぜひチラリと見てみてくださいね！
次回からはお正月のお話にしようと思います！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 497人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
めーぷる(プロフ) - 紫雨さん» 了解しました！ありがとうございます!! (2019年1月3日 21時) (
レス) id: ed137c864e (このIDを非表示/違反報告)
紫雨(プロフ) - めーぷるさん» リクエストありがとうございます！ただ、申し訳ないのですがこのpart3は恐らく今もらってるリクエストでpart4へ移行すると思います！本当に本当に面倒で申し訳ないのですが、移行した際にもう一度リクエストしてもらってもいいですか？申し訳ないです(*_*; (2019年1月3日 21時) (レス) id: b7016d0be3 (このIDを非表示/違反報告)
めーぷる(プロフ) - すみません、リクエストです…！色々あって心がボロボロな妹ちゃんを三橋くんが死ぬ気で助けるって話お願いしてもいいですかっ (2019年1月3日 19時) (レス) id: ed137c864e (このIDを非表示/違反報告)
紫雨(プロフ) - jr00rtk417hさん» なにか名案があれば教えてください！(笑) ありがとうございます！がんばります(≧∇≦)/ (2019年1月3日 18時) (レス) id: b7016d0be3 (このIDを非表示/違反報告)
jr00rtk417h(プロフ) - 確かに…(o_o)そこが問題ですね笑笑いつも楽しみにしてるのでこれからも頑張ってください！ (2019年1月3日 16時) (レス) id: 279b567dfc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：神室紫雨
| 作成日時：2018年12月6日 22時
