ひゃくはちじゅうよん！！ ページ37
*I-side
伊藤「三橋! こんなところに居たのかよ!!」
理子ちゃんと一緒に探していた三橋は
河川敷の道を歩いていた。
背中がいつも以上に丸くなっている。
三橋「んだよ伊藤……うるせーな」
よくよくその背中を見ると、
雑草がくっついていたので
もしかしたら河川敷の土手で
寝ていたのかもしれない。
伊藤「Aが、あのヘルメ野郎とタイマンすることになった」
三橋「あっそ。で?」
伊藤「っこんな時に意地張ってる場合かよ!!」
三橋「だから別に俺じゃなくても良いだろって。
お兄ちゃんが助けてやれば良いじゃねぇか」
伊藤「……っ、それじゃ…駄目なんだよ」
三橋「は?」
昔はいつだって、
隣にいるのは俺だった。
手を引くのも、
慰めるのも、
助けてあげるのも。
求められるのは俺だけのはずだった。
伊藤「…Aが一番助けに来てほしいのは、お前だよ。三橋」
三橋「アイツから聞いたのかよ」
伊藤「……聞いてねぇけど、」
三橋「なんじゃそりゃ」
伊藤「っお前はAを助けてぇとか思わねぇのかよ?! 彼氏だろ?! Aのことが好きなんだろ?!」
言いたくてこんなこと言ってるわけではない。
ふざけんなよ、三橋。
俺は本当は、まだ彼氏だと認めてねぇからな。
三橋は何を考えてるのか分からない目で
俺のことをじっと見つめて、短くため息を吐いた。
三橋「……兄妹揃って似たような顔するよな、お前ら」
伊藤「え?」
三橋「前に理子んとこの道場で
アイツと同じ顔してたぞ」
伊藤「……どの顔だ?」
俺の質問をスルーした三橋は、
どこか面倒そうに首を掻いてから
「で、どこだよ」
と聞いてくる。
……コイツ、ほんっと素直じゃねぇな。
伊藤「学校近くの廃工場だ。分かるだろ」
三橋「チッ。ここからは遠いじゃねぇか」
伊藤「早く行け。俺は理子ちゃんと合流してからそっち行く」
三橋「おー」
もちろん三橋は走るフリすら見せない。
それがコイツなりの照れ隠しなのは分かっていた。
早いとこ俺が居なくなろうと
走り出そうとした瞬間、
「伊藤」
と呼び止められる。
三橋「……お前やっぱクサイぜ」
伊藤「……ふは、うるせーよ」
それだけ言うと「はよ行け」と急かされる。
.
一応振り返ってみると、
もうそこに金髪頭の姿は無かった。
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天孤 - 現実は本当に甘くないんですね〜 (2019年8月2日 14時) (
レス) id: 7eedb3b556 (このIDを非表示/違反報告)
カナリア(プロフ) - そうだね！見よう！泣くマジ泣く (2018年12月16日 20時) (レス) id: 0cf1c80018 (このIDを非表示/違反報告)
激辛麻婆豆腐 - カ……カナリヤ…………私だって……こんな激辛な現実は見たくない!でもしょうがない……残された時間で私たちが出来ることを今一度考えて楽しく『今日から俺は!!』見よう!………泣いても笑っても最後だから………。 (2018年12月16日 18時) (レス) id: 13769de09e (このIDを非表示/違反報告)
カナリア(プロフ) - やめて！！！現実を突き止めないで！！！！！！！ (2018年12月16日 12時) (レス) id: 0cf1c80018 (このIDを非表示/違反報告)
激辛麻婆豆腐 - やだ………明日で今日から俺は!!が終わっちゃう…………… (2018年12月15日 22時) (レス) id: 13769de09e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：神室紫雨
| 作成日時：2018年12月1日 12時
