伊藤の妹たちの番外編 part2【今日から俺は！！】

無理は禁物,1 ページ42

リクエストありがとうございます！
ちょっとシリアスにしてみました……！


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どうして、こんな目に遭ってるんだろう。



商店街から随分離れたところにある荒れ地。




全身の痛みに耐えながら立ち上がろうにも、
うまく動けない。









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ことの発端は一時間前。


私は、偶然にもひったくりの現場を
目撃してしまった。



盗まれたのはおばあちゃん、
相手は自転車に乗っていて。





私は咄嗟に追いかけてしまった。





商店街から逃げた犯人は、
河川敷のところに自転車を捨てると
公園を突っ切ってこの空き地まで来る。


自転車を追いかけるのは大変だったけど、
相手が人なら問題ない。




私はまるでヒーローみたいに犯人の背後に回って、
鞄を持っている手を掴んだ。









「返して。他人のでしょ」

犯人「?!」




驚いた犯人は反抗してきたけど、

ぶっちゃけ動きはド素人。



こういう時、ツッパリたちと関わってて
良かったなぁと思った。






理子さんから教わっていた背負い投げが
綺麗に決まり、

私は見事、犯人を撃退することに成功。








……ここまでは良かった。









??「おうおうおう、ネーチャン強ぇんだなぁ」





どうやらこの辺りはそのチンピラたちの
テリトリーだったようで。


やばい、と思ったときには既に遅し。





私は羽交い締めされてしまい、
男たちに殴られ蹴られ、

最後には取り戻したおばあちゃんの鞄を
また盗まれてしまった。








追いかけなくちゃ、って分かっているけど、

打撲が酷いみたいで歩くだけで腰が痛かった。


四つん這いになるので精一杯。





情けないことに、頭を殴られたせいで

懐かしき、あの、危険な吐き気がすぐそこまで来てる。





……いやここで吐いても問題ないとは思うけどさ。


もしも知り合いが通ったら、黒歴史だよ。


二回もゲロっちゃうJKになってたまるか。







「……ｯは、くそ………あのチンピラたちどこ行った……」









もうかなり時間が経ってしまっているから
探し出すのは至難の技。





私は壁に凭れながらなんとか立ち上がって、
ゆっくりゆっくり歩き出す。








まるで丸いケースの中に閉じ込められて
水の中に捨てられたような感覚。



濁流の中をぐるぐる回ってるみたい。








本格的にやばい。









その時、「A?」という聞き覚えのある声に

ホッとした瞬間、




口からキラキラを出してしまった。

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