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「好きです」,3 ページ38

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「……」

三橋「……っくそ、」

「……三橋さん?」





Aの頬に手を添えるまではよかった。


……けど、ここからどうすりゃいいんだよ。




Aは薄く目を開けて、
キョトンととぼけた顔をする。





いや、俺は男だ。

バシッと決めちまえばいいんだよ。




と、分かってはいるのに。








三橋「……っ無理だ」

「へ……?」




普段のAにき、き、……ちゅーするなら
恐らくできたと思う。


でも今のAは俺が薬を飲ませて
ベタ惚れにさせられてる状態なわけで。


そんなとこ漬け込んで、とか、

男としてどうだよ。



……いや飲ませたのは俺だけど。







三橋「悪ぃA……今のお前には出来ない」

「……私が、ぼんきゅっぼんじゃないから?」

三橋「ちげぇよ。そうじゃねぇ。
今のAにすんのは卑怯だろ」

「……卑怯じゃない三橋さんは、三橋さんじゃないもん」

三橋「好きな女の前では“卑怯者”に
なりたくねぇんだ」




な?と諭すように頬に添えた手で
ふわふわしてる頭を撫でてやる。


Aはちょっと不貞腐れてたけど、
暫くすれば気持ち良さそうに目を閉じた。





誰もいない放課後で、

“彼女”と二人きり。



思えば恋人同士っぽいことを

したことがない気がする。




伊藤と京子ちゃんほど、いちゃつきたいとは

恐らくコイツも思ってないだろうけど。







三橋「A」

「ふぁい……?」

三橋「な、なんかしてほしいことあったら言えよ……」

「してほしいこと……?」

三橋「い、今だけだからな。五秒以内に言え!!」

「優しい三橋さんって、不気味ですねぇ……」






んふふ……、なんて腑抜けた笑みを溢すと

Aは俺の方に両手を伸ばしてきた。








「ぎゅってして、好きって言ってください」

三橋「……っ、お前なぁ」

「駄目ですか?」

三橋「……駄目なんて言ってねぇだろうが」

「……?」


三橋「だ、……抱き着いてもいいぜ」









情けねぇことに俺の顔はあかべこもビックリの
赤面ぶりだろう。



Aは嬉しそうに笑うと、

椅子に座る俺の所に来て、

そっと抱き締めてきた。









なんとなく、コイツの後頭部を撫でてみる。


鼻を擽る匂いに中毒になりそうだ。









.









三橋「……好きだっつの」

「……ふふ」









.

ほんとのちゅーは本編に残しておきましょう笑

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Mia - 三橋と妹ちゃんのキスシーンの絵が欲しいです! (2019年1月26日 16時) (レス) id: 70b9e10207 (このIDを非表示/違反報告)
紫雨(プロフ) - manaさん» ありがとうございます((T_T))でも神じゃないですよ!修行中の身であります(*´-`) (2018年12月10日 22時) (レス) id: b7016d0be3 (このIDを非表示/違反報告)
mana - 神かよ…絵上手すぎじゃないですか!? (2018年12月9日 14時) (レス) id: 9204f626b9 (このIDを非表示/違反報告)
紫雨(プロフ) - 更紗さん» 了解です!リクエストありがとうございます(*´∀`)続編で書かせていただきます!! (2018年12月6日 15時) (レス) id: b7016d0be3 (このIDを非表示/違反報告)
紫雨(プロフ) - なーなーさん» ありがとうございます(*´∀`)こじらせた愛な感じが私も好きなんですよね笑笑あまり書かない雰囲気なので楽しかったです(#^^#) (2018年12月6日 15時) (レス) id: b7016d0be3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:神室紫雨 | 作成日時:2018年11月20日 21時

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