situation (ページ43)

今日:8 hit、昨日:61 hit、合計:195,666 hit

▼ ページ43

:

「んっ、、め、め、」

「……こうじ、」

都心からは遠く離れたこの場所。

夜は車の音すら聞こえない静かな所。

そこで康二くんの喘ぎ声と、
体が繋がっているという音が響く。

下で乱れる康二くんが

俺の手で、俺に染まる康二くんが

とてつもなく可愛らしくて色気がある。

「………れんっ、、好きっ、」

「……俺も、だよっ、」

「……ふは、嬉しい」

っ、その笑顔、反則。

今までの誰よりも好き、大好き。

……愛していると誓ったそんな夜。

:

:

:

:

数日後、康二君の体調は悪化して
緊急入院することになった。

一時期は意識が無くなったりして、
とにかく危険で側を離れられなかった。

俺の前には、病室のベッドで目を閉じてすやすやと寝ている康二君。

………まだ康二君と見たい景色がある。

………康二君と行きたい所がある。

ハグだって、キスだって、それ以上だって、

なんだって康二君じゃなきゃいけない。

「…………俺の為に、生きてよ」

思わず涙が溢れる。

好きって言ってくれたじゃん。
付き合って下さいって言ったじゃん。

俺の為にも、まだ生きていてよ。

「……？…康二？」

握っていた手が、微かに動いた気がして康二君の顔を見る。

「………………め、め、」

「！」

幻じゃないかと思った。〝奇跡〟だと思った。

目の前の康二君は、確かに俺の名前を呼んだ。
しかも……目を開いてる。

心なしか、………笑顔にも見えて。

「…………た、だ、い、ま」

「……お、かえり。…康二君っ！」

嬉しすぎて、無意識に抱きついてしまう。

慌てて体を心配したけど。

:

:

:

それから数ヶ月経った今日、
康二君の誕生日を迎える。

康二君にとって、余命された年を越えた初めての誕生日で、俺にとっては平凡な日々に光を与えてくれた人の誕生日。

あの日の彼のように、
手には大量の薔薇の花束。

家の玄関が開く音がする。

案の定康二君が帰ってきて驚いてる。

「生まれてきてくれてありがとう。好きになってくれてありがとう。あの日俺に告白してくれてありがとう。生きててくれてありがとう。

誕生日、おめでとう」

「………っ、め、め、」

涙でグシャグシャの顔の康二君に
愛しさが溢れる。

抱き締めて、心からの言葉を。

「愛してる」

めめこじEND

.