situation (ページ16)

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俺よりも恋愛経験は多いめめに、あれやこれやとアドバイスを受け、ついには〝実践しろ〟
とまで言われた。

「頑張ってその人取ってよ。
俺はいつでも相談受けるし協力するから」

「……あ、ありがとう」

帰り道、1人で考える。

今日の曜日は金曜日。阿部ちゃんが来る日。

会える！いつも緊張してるけど…
今日は特に緊張が走る。

やってめめのアドバイスをする日は今日ぐらいしかない。それをやれと言われても…失敗しかしない気しかしない。

「…あっ、」

家の前には、爽やかな阿部ちゃんが。

俺の声に気付いてこっちに手を振る。

「よっ。いつもより速く来ちゃった(笑)
入れてくれる？」

「どうぞどうぞ！」

やった。今日は普段より10分長く
阿部ちゃんと一緒におれる！

肩に掛けたリュックに、スーツという手軽な姿。あんな風に玄関まで来てるんかな。

何気ないことまで
阿部ちゃんのことになると気になってしまう。

「今日も暑いねぇ～」

「そうやな～。でもエアコンあるから。
それは救われるかも(笑)」

授業時間より早いからって、
先生は雑談をし始めた。

終わった後も雑談してるから
特に新鮮って訳でもない。

「……阿部ちゃんっ！来週テストやん？その…俺頑張るから！…90点超えたらご褒美頂戴？」

「…ご褒美？」

これもあの〝アドバイス〟の1つ。

『テスト近くにあるから、
それを利用して先生にお願いする』

内容はまだ考えてへんけど、
言わな変わらへんから。

「ご褒美あったら…頑張れるなぁ～…って」

「……俺ので良いなら(笑)。90点ね？…普段から頑張って欲しいけど、康二くんなら出来るよね？(笑)」

「ほんま！？阿部ちゃんのでええ！て言うか阿部ちゃんじゃなきゃ嫌や！

…よっしゃ、やってやる」