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「これで全部かな？」
「だね。まじ疲れた！！」
ナミさんとマツリさんが音を立てて置いた最後の食器。
ガシャン、って鳴った音にちょっと肩をビクつかせながら洗剤をつけたスポンジを泡立てた時だった、
「じゃ！Aちゃんあとよろしくね」
『へ？！』
「罰ゲームだよ罰ゲーム！ばなさんが言ってた」
『罰ゲーム…』
目の前の流しいっぱいの食器を眺めて、これひとりで片付けるの？！なんて思うけど、
『…わ、かりました』
「じゃあよろしく〜」
罰ゲームなら仕方ないよね。
民宿組もうはじめてるって〜、まじずるい早く行こ、なんて、
会話をしながら厨房を出ていくふたりの背中を眺めて、バレないように小さく吐いた溜め息。
なんか、この感じ中学生のときに味わったことあるな、
噛み締めた唇に頭をブンブン振って、目の前の食器に手を付ける。
ナミさんたちにあまり良く思われてない気がするな、なんて思ってたけど、やっぱりそうだったのかな、なんて
「…Aちゃん？だよね」
『っ！びっくりした』
「ごめんなさい、びっくりさせるつもりなかったんだけど」
いつの間にか上がっているのか檜山くんや皇輝の姿も見えないそこで、
全然終わらない洗い物と格闘している最中、
誰かに後ろから声をかけられてびっくりしながら振り向くと見えたのはうっちーさんの幼なじみで、
「いないなって思って」
『へ？』
「みんなで花火してるんだけど、Aちゃんいなかったから探してたの」
『花火、ですか…？』
あ、そっか。そういうことか。
さっき厨房から出ていったふたりの背中と会話を思い出しながら、手にしたスポンジをぎゅっと握る
『お気遣い、ありがとうございます。私、罰ゲーム中で(笑)気にしないでください！』
「罰ゲーム？」
『はい。矢花くんと、１日に水１０杯飲めなかったら罰ゲームって約束してるんです、でも、…わたし今日忙しくて、』
積み重なった洗い物を眉を顰めて見る彼女は、
そっか、ごめんねってなぜか謝ったと思うと私の隣に並んで洗い終わった食器を拭いてくれるから、
『あ！いいですよ！』
「んーん、手伝う。」
『でも、花火…』
「この量ひとりじゃ大変でしょ？(笑)」
はやく終わらせて一緒に花火しよ
私の顔を覗き込んでそう言った彼女の顔が眩しくて、ちょっぴり泣きそうになった。
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ゆう - このお話が大好きで未だに何度も読み返しています。アオさんの紡ぐお話をまた見れる日が来るかは分かりませんが、今でもずっとだいすきなお話です。 (12月25日 15時) (
レス) id: 9b89e968b5 (このIDを非表示/違反報告)
ちぴ - お話終わってしまったんでしょうか？続き気になります＾＾ (2022年8月6日 3時) (レス) @page24 id: d3cdc5c0b2 (このIDを非表示/違反報告)
りぴ(プロフ) - はじめましめ！おはなし一気に読まさせて頂きました。本当に描写も言葉も引き込まれる作品で、この作品の虜になりました！もう更新はされないのでしょうか、、？（ ; ; ） (2022年1月29日 23時) (レス) id: 46981ee839 (このIDを非表示/違反報告)
爽 - 更新ずっと待っていたので嬉しいです！ (2021年11月20日 21時) (レス) @page24 id: 034faa10a9 (このIDを非表示/違反報告)
あゆみ(プロフ) - 初めまして。更新ずっと待っていました！☺︎アオさんの書くお話が1番好きなのでこれからも楽しみにしています！ (2021年9月19日 22時) (レス) id: 334d2140a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アオ
| 作成日時：2021年2月12日 4時
