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『んぅ』
「おきた？」
『うっちーさん…？』
身体が揺れてる気がして、まだくらくらしてる気がする視界を無理やりこじ開ければ、目の前に見えるのはあの青いセダンの車内。
『皇輝くん、は？』
「今送ったよ。ひらつかはうしろで寝てる」
気だるい身体を動かして後ろを振り返れば、後部座席にダランと横になる翔馬くんの姿。
『むかえ、来てくれたんですか？』
「こうきくんから電話きた」
ふたりとも潰れてるって言うから、って
急いで出てきてくれたのか部屋着のままのうっちーさんの姿に、
なに私まで潰れてんだって、申し訳ない気持ちでいっぱい。
『すみません…』
「いーよ。これで昨日のはチャラね」
見上げた横顔が、ちらってこっちを見て片方の口角だけ上げるから、
チャラもなにも、私の方が一方的に迷惑かけまくってるしって、
『お酒、もう飲むのやめようかな』
「べつにいいよ(笑)」
せっかくここまで来てんだから、楽しめばいいんじゃない？なんて、
翔馬くんを起こさないように、いつもより低く小さく吐き出されるうっちーさんの声にきゅんって、
酔い過ぎだろ、私。
「…それにおれ、はちのそーいうのきらいじゃない」
『うっちーさんも、じゅうぶん変なやつですよ』
「…そーかもね」
そう言ってハンドルから離した左手で私の頭をくしゃってするうっちーさんに、それ以上なにも言えなくて、
ふわふわする意識のなか、ぎゅっと唇を噛んだまま窓の外に顔を向けた
『…うっちーさん』
「ん？」
『はきそう』
「は？今？むり、ふざけんな」
慌てて路肩に車を停めると、腕を引っ張っられて、
草むらに向かってしゃがみ込んだ私の背中を摩ってくれるのがわかるけど、
『うぅ、でなぁい…』
「…はぁー」
『すびまぜん…っ』
「なんなの、まじで(笑)」
盛大に溜め息を吐いたかと思ったら、そのままケラケラ笑い出したうっちーさんに、
なにがおかしいのかわかんないけど、ゲラってほんとなんだなって、くしゃって可愛い笑顔を零すうっちーさんの頬っぺたに手を伸ばした
「な、に」
『かわいい』
「っ、…でないなら、帰るよ」
照れたようにそっぽを向いて私の頭を叩いたうっちーさん。
立ち上がった猫背気味な背中がぼんやりとした視界のなかでゆらゆら揺れた
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ゆう - このお話が大好きで未だに何度も読み返しています。アオさんの紡ぐお話をまた見れる日が来るかは分かりませんが、今でもずっとだいすきなお話です。 (12月25日 15時) (
レス) id: 9b89e968b5 (このIDを非表示/違反報告)
ちぴ - お話終わってしまったんでしょうか？続き気になります＾＾ (2022年8月6日 3時) (レス) @page24 id: d3cdc5c0b2 (このIDを非表示/違反報告)
りぴ(プロフ) - はじめましめ！おはなし一気に読まさせて頂きました。本当に描写も言葉も引き込まれる作品で、この作品の虜になりました！もう更新はされないのでしょうか、、？（ ; ; ） (2022年1月29日 23時) (レス) id: 46981ee839 (このIDを非表示/違反報告)
爽 - 更新ずっと待っていたので嬉しいです！ (2021年11月20日 21時) (レス) @page24 id: 034faa10a9 (このIDを非表示/違反報告)
あゆみ(プロフ) - 初めまして。更新ずっと待っていました！☺︎アオさんの書くお話が1番好きなのでこれからも楽しみにしています！ (2021年9月19日 22時) (レス) id: 334d2140a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アオ
| 作成日時：2021年2月12日 4時
