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「Aちゃんといるうちむ、俺結構すき」
『へ？！』
うっちーさんが出ていった廊下の方をぼーっと眺めてれば黒田くんにそんなことを言われて、
「なんか人間っぽい(笑)」
『黒田くんたちと楽しそうにしてるうっちーさんが一番人間っぽいよ(笑)』
「まあ確かにそれはそう(笑)」
クスクス笑いながら麦茶に口をつける黒田くんは、
やけに優しい表情で天井を見上げると、そのまま向こう側にんーって伸びをして寝転がる
「…さみしいの、あいつ」
『さみしい？』
「うん。だから、待っててやってよ」
『…うん』
よいしょって起き上がった黒田くんが、テーブルに頬杖をつくと、私の顔を見てニコニコ笑う。
「忠犬だね、Aちゃん」
『もう、黒田くんまで！』
「…今日、ナナの命日なんだ」
ニコニコしてた顔から一転、眉を下げて悲しそうに笑った黒田くん
「うちむの相棒だったからさ、ナナ。」
『…ナナちゃんって、どんな子だったんですか？』
「ナナはね、めっちゃドジで気の弱い子(笑)大型犬のくせにめちゃくちゃビビりで、かわいいやつだったよ(笑)」
『わたし、似てる？』
「うん、似てる(笑)」
やっぱりちょっとバカにしてる？って言えば、イタズラな顔をした黒田くんが親指と人差し指でちょっとね、なんて形を作って笑うから、
さっきのうっちーさんの背中を思い出すとやっぱりぎゅっと締め付けられる胸。
『くろだくん、』
「んー？」
『私、』
なんて言葉にすればいいのかわからない感情でいっぱいで、
それ以上何も言わないまま口篭る私に首を傾げる黒田くん。
「…Aちゃん？」
『わたしが、しんどいなって時、うっちーさんは、黙って隣にいてくれた、から…』
「うん」
『だから、うっちーさんがしんどいなって思う時は、…』
「いてあげてよ、Aちゃんが」
優しく笑った黒田くんの指先にふわりと払われた前髪。
ふたりしかいない広間は静かで、古いエアコンがカタカタと揺れる音がやけに響いて聞こえた。
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ゆう - このお話が大好きで未だに何度も読み返しています。アオさんの紡ぐお話をまた見れる日が来るかは分かりませんが、今でもずっとだいすきなお話です。 (12月25日 15時) (
レス) id: 9b89e968b5 (このIDを非表示/違反報告)
ちぴ - お話終わってしまったんでしょうか？続き気になります＾＾ (2022年8月6日 3時) (レス) @page24 id: d3cdc5c0b2 (このIDを非表示/違反報告)
りぴ(プロフ) - はじめましめ！おはなし一気に読まさせて頂きました。本当に描写も言葉も引き込まれる作品で、この作品の虜になりました！もう更新はされないのでしょうか、、？（ ; ; ） (2022年1月29日 23時) (レス) id: 46981ee839 (このIDを非表示/違反報告)
爽 - 更新ずっと待っていたので嬉しいです！ (2021年11月20日 21時) (レス) @page24 id: 034faa10a9 (このIDを非表示/違反報告)
あゆみ(プロフ) - 初めまして。更新ずっと待っていました！☺︎アオさんの書くお話が1番好きなのでこれからも楽しみにしています！ (2021年9月19日 22時) (レス) id: 334d2140a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アオ
| 作成日時：2021年2月12日 4時
