いてあげてよ ページ13
「Aちゃん、まだ顔真っ赤〜」
『だ、だって！』
あの後、また私の頭をさらっと撫でていったうっちーさんは
何事もなかったかのように無表情のままお風呂へと向かっていったから、
なんだったのあれ、なんて。
「…Aちゃんは行かなくてよかったの？」
『うん。今日はお酒の気分じゃないし、この間やらかしたし、…それに黒田くんひとりなのも可哀想だしね？(笑)』
「まじ未成年つらいAちゃん優しいすき」
広間の机にぐでって突っ伏してる黒田くんは、拗ねてるのか頬っぺたをぷくぷくさせてて、ちょっと可愛い。
花火の後、このまま飲みに行こうって楽しそうにはしゃぐみんなとは別れて、黒田くんと帰ってきた。
それに、すでに出来上がってるその雰囲気にわたしがお邪魔してるのもちょっと居づらいしな、なんて。
元々グループ行動得意な方ではないし、ピアスも開けたかったしね、
そう言って笑えば、Aちゃん天使に見える、なんて黒田くんが言うから、大袈裟すぎって2人で笑う。
「まだ痛い？」
『うん、ちょっとヒリヒリする』
「夏は膿みやすいからちゃんとこまめに消毒した方がいいよ」
『気を付ける』
「うん(笑)Aちゃん、ピアスめっちゃ似合うね！」
まだなんの飾りっけもないファーストピアスなのに、ニコニコしながらそう褒めてくれる黒田くんは、やっぱり可愛い。
翔馬くんとは別のかわいさだよね。なんかずるいな、ふたりとも。
「はち」
『は、はい！』
「…いかないの？」
『はい、今日はやめときます。うっちーさん気を付けて行ってきてくださいね』
「あ、そ」
シャワーだけ手早く浴びたのか、まだ湿ってる髪のまま広間を覗いたうっちーさん。
私の返事に興味なさげに背中を向けたと思ったのに、
「…えさ」
『餌？』
「あげといて」
なんの？！
言葉の少ないうっちーさんのそれを理解しようにも頭にはハテナが浮かんで、
首を傾げたけどそのまま何も言わずに出ていってしまうから、
いや、だからなんの？！？！って、
「水槽じゃない？うちむの部屋の」
『あぁ！魚か。あげ忘れちゃったのかな』
「いや、待っててほしいんじゃない？Aちゃんに」
どういうこと？って見つめた黒田くんの瞳は、楽しそうにきゅっと細められるだけで、
うっちーさんの唇が触れた右耳を触ればまだ熱を持ってる気がした。
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ゆう - このお話が大好きで未だに何度も読み返しています。アオさんの紡ぐお話をまた見れる日が来るかは分かりませんが、今でもずっとだいすきなお話です。 (12月25日 15時) (
レス) id: 9b89e968b5 (このIDを非表示/違反報告)
ちぴ - お話終わってしまったんでしょうか？続き気になります＾＾ (2022年8月6日 3時) (レス) @page24 id: d3cdc5c0b2 (このIDを非表示/違反報告)
りぴ(プロフ) - はじめましめ！おはなし一気に読まさせて頂きました。本当に描写も言葉も引き込まれる作品で、この作品の虜になりました！もう更新はされないのでしょうか、、？（ ; ; ） (2022年1月29日 23時) (レス) id: 46981ee839 (このIDを非表示/違反報告)
爽 - 更新ずっと待っていたので嬉しいです！ (2021年11月20日 21時) (レス) @page24 id: 034faa10a9 (このIDを非表示/違反報告)
あゆみ(プロフ) - 初めまして。更新ずっと待っていました！☺︎アオさんの書くお話が1番好きなのでこれからも楽しみにしています！ (2021年9月19日 22時) (レス) id: 334d2140a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アオ
| 作成日時：2021年2月12日 4時
