黒歴史だもんな ページ5
「飯食わねーの？」
『気分じゃない…』
「なに、またうっちーくんと喧嘩でもした？」
『颯太くんとは喧嘩したことありませんー！！ってか！会社でその話しないでよ！！』
昼休み、給湯室で項垂れていた私の頭上から降ってきたのは、いつもの声。
ケトルに水を入れてスイッチを押すと、相変わらずめんどくさそうな表情を零しながら前のソファにふんぞり返る翔太。
「どーよ、目黒とは」
『どうもなにもないよ、うるさいな』
「…お前にとっては黒歴史だもんな」
『黙れ』
そう。蓮と付き合っていた頃の私は史上最強くらいに尖っていて、プライドも高かったし、弱い部分を人に見せることが何よりも嫌いだった。
そんな私を少し年下だけど上手に扱ってくれていた蓮。
感謝もしていたしちゃんと好きだったのに、素直になれない私は上手く表現出来るはずもなくて、
結局、私の強がりが原因で蓮には転勤が決まったのと同時に振られて、
あー、思い出しただけで最悪。
蓮は何にも悪くないなんてわかってるけど、あの頃を思い出すと、色んな意味で痛くて痛くて、どうしようもなくなる。
「…ずっと後悔してたってよ」
『何が』
「お前手放したこと」
『いいよ、そういうの』
「俺は、うっちーくんなんかより、ずっとずっと現実的だと思うけど」
意味、わかんないし。
現実的ってなんだし。
『…わたしは、』
「わりと高給取りだし、生活リズムも一緒、お前の扱い方だってピカイチだし、顔もあの子とは系統違うけどイケメンじゃん」
『なに、それ』
「お前には勿体なさすぎるほどの優良物件だと思うんだけど、」
『はぁ？』
「…ま、俺にはカンケーないですけど？」
お湯が沸いたことを知らせるケトルを持ち上げた翔太は、
やっすいインスタントコーヒーが入った紙コップに中身を注ぐ。
ふわりと漂うコーヒーの匂いが鼻をついて、
『…颯太くんに、あいたい』
「夢見るババアは痛てぇーぞ」
『その歳で女取っかえ引っ変えしてるあんたも十分痛ぇーよ』
「うるせぇブス」
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めい(プロフ) - わー！！！！更新してくださってありがとうございます！！！ずっと待ってました‥とても嬉しいです！好きです‥‥！！ (2021年9月16日 18時) (
レス) id: 6c44e7bf29 (このIDを非表示/違反報告)
蒼 - 面白いです！素敵な作品ですね更新待ってます (2021年4月10日 15時) (レス) id: 30cf67c532 (このIDを非表示/違反報告)
なるぽ(プロフ) - 好きすぎて何回も見返しちゃいます！投稿待ってます！ (2021年4月10日 7時) (レス) id: fa503700e0 (このIDを非表示/違反報告)
h - やっぱりこの作品が世界一好きです……いつかまた更新してくださる日を気長に待っています^ ^ (2021年3月22日 23時) (レス) id: 9a85b7fcb8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アオ
| 作成日時：2021年1月7日 18時
