＃１５ ページ15
「失礼します、」
ジェシーさんが案内してくれたのは、彼らのリビング兼ダイニングだという部屋。目の前には8人くらい座れそうなダイニングテーブル、右には立派なアイランドキッチン、左には大きなテレビとソファがコの字に置かれていた。
？「この子がAちゃん？かわいーじゃん」
？「…どーもー」
あと、知らない人がふたり。
ジ「…樹、軽々しく絡むなよ。大我も、ゲームしながら挨拶するな！」
ダイニングテーブルにいるチャラそうな人が樹さん、ソファにぐだーっと寝そべってゲームしてる人が大我さんというらしい。男の人しかいないのが少し怖い。
樹「いーじゃん、ね？Aちゃん」
「⋯」
ジ「あれほど言ったのに⋯」
高「はいはいみんな席ついて〜」
高地さんが作ったであろう料理たちがテーブルに並べられていく。
「「いただきまーす！」」
和食だからお箸。家の人達と食べるより幾分か気が楽だけど、初対面の人とご飯食べるのって緊張する。しかもこの人達めっちゃ食べるの早い。
それにマナーを注意されてからというもの、人前でどう食べていいか分からなくなってる。
ジ「…お腹空いてなかったですか？」
「あ、そうじゃなくて…」
樹「お前、飯食わねーと元気出ねーぞ？」
高「樹、うるさい。Aちゃんごめんね、お口に合わなかったかな？」
「違います、美味しそう、です…」
高「ほんと？嬉しいなあ。まあ会長達の夕食には敵わないけどね」
「そんなことないです、ほんとに…」
ほんとに、そんなことない。むしろこっちの方が好み。あんな、堅苦しくて味がしなくて、放棄したくなる夕食は美味しくない。
京「じゃあこっちで食べれば？」
「…え？」
ジ「…今日はその話をしようと思って呼んだんです。もしA様がよければ、これからもここでご飯をお召し上がりになりませんか？」
いいのかな、、会長に怒られたりしない？夕食はまだしも、朝食は揃って食べるのが暗黙のルールだし、
ジ「会長の許可なら大丈夫です。もちろんA様にお話しする前に話は通してあります」
…ジェシーさんめっちゃ仕事できる人だ、。
「じゃあ…お願いします、。」
ジ「承知しました。」
にこっと嬉しそうに微笑んで返事した後、あと少しでみんな自由に散らばっていくのでそれからゆっくり食べてくださいって小さな声で教えてくれた。
うん、間違いなく仕事できる人だ。
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作者名：スイ | 作成日時：2022年8月30日 2時
