シン友 (ページ8)

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○ ページ8

「可愛い妹に失礼じゃない？」

「え、何言ってんの？どこにいるの？」

たった1人の妹に酷すぎないか、この兄貴。

いままで何度が登場してきたけど、改めて紹介しよう。

松村北斗、私の1つ歳上の兄だ。

同じ高校に通っているけど顔があまり似てないせいか兄妹と思われることは少ない。

この学校でも知ってる人は少ないはずだ。

私にはどこがいいのか分からないがモテるらしい兄。

そのため厄介事に巻き込まれることも多かった。

兄の外見やスペックしか知らない馬鹿な女子たちにぜひ言ってやりたい。

あなたたちの知ってる北斗は猫を被った偽物だと。

優しいのは波風立てたくないからであって、家では私をとことんこき使う悪魔だ。

例を挙げれば今朝もそうだ。

運動神経もいいし何より余裕を持って家を出たはずの北斗が自転車に乗っていく理由がない。

イコール、私が寝坊するのを予測していてわざと自転車に乗って行ったことになる。

「本当、悪魔みたい。」

「何言ってんの？世界一優しい兄だろ。」

「あんたが優しいなら世界中9割優しいことになるけど。」

「失礼だな？」

「てかさ、いま自転車に乗らないなら朝要らなかったよね？」

「馬鹿だな、一切運動しないお前に優しいお兄様が気遣って運動させてやったんだろ。」

「うぜえ。」

学校から約15分。

あまり人目につかない場所にあるカフェが私のバイト先。

北斗はバイトをしてないけど、どうやら落ち着くらしくほぼ毎日通ってる。

「優吾くーん、」

「はーい。おかえり、北斗、A。」

「ただいま。」「ただいま！」